第19回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

お米を炊く水の比較実験をしてみた!

男女100人が運動後に試みた

還元水と精製水の飲用比較

わたしたちが毎日食べるご飯ですが、日本の米作付面積のうち最大(約三分の一!)も古める品種のコシヒカリを始め、何と800種類以上もの銘柄があります。したがって炊飯時には、銘柄により水に浸す時間や水の量も少しずつ変わるでしょう。それだけでなく、使う水によっても変化するし、味も変わるはずです。

そもそも炊飯前のお米の水分は15%で、洗ってしばらく浸しておくと、約10~15%の水を吸取します。さらに炊き上がったご飯になると水分は60%に増えます。

お米を洗う時は適当に水道水で炊く時にはお気に入りの水を使っている人もいるかもしれません。でもわたしは、洗う時からどういう水を使うのか、考えた方が良いと思っています。

 では実際に、いろいろな種類の水でご飯を炊くとどうなるのでしょうか。まずは電解水でご飯を炊いた時の変化に関する研究結果をみてみましょう。

各種の水の炊飯米を食べ比べ

最初は一般社団法人・日本家政学会が発行している『日本家政学会誌』(1994/ Vol.45 No4 343~348)に報告された共立女子大学家政学部の佐藤らの研究結果です。ここでは、電解水(pH3~11)が炊飯米の性状にほとんど影響を与えないと報告しています。

具体的には、炊飯米の色、硬さ、付着性で ほとんど差はありませんでした。実際に20歳の女性45人に酸性電解水、原水、アルカリ性電解水(還元水)で洗って炊いたご飯を食べてもらい、形状、色、味、硬さを原水で炊いたものと比べて良いか悪いかを評価してもらいました。その結果、電解水(酸性、アルカリ性) での評価は低い傾向になりました。

その原因としては、電解水で洗米しても、当初は酸性あるいはアルカリ性になるもののーーー米粒が水のpHを緩衝する作用があるためーーー 5分以内に中性になって水の性質の差が反映されないからではないかと考えられました。また米の水分含有量も炊飯時に差がありませんでした。

電解水の炊飯で米粒に変化は?

この結果を受けて、公益社団法人・日本食品科学工学会が発行する『日本食品科学工学会誌』(1996/第43巻 第8号930~938) に、小林らが研究結果を報告しました。

小林らは酒造用原料米の品質調査に用いられる方法などを用いて、より小さな変化を計測することで電解水の炊飯特性を検討しています。

白米を浸漬した時の体積変化は、アルカリ性電解水>原水>酸性電解水の順に減少しました。

水酸化ナトリウムと塩酸で同じ実験をしても同様の結果となり、pHの高い水が白米の膨潤を促進させることが示唆されました。

次に炊飯後の米の体積の変化で吸水量を測定したところ、アルカリ性電解水、原水、酸性電解水の順で高くなりました。

炊飯米の面積を画像解析で計測すると、アルカリ性電解水、酸性電解水、原水の間に大きくなり、アルカリ性のものは原水より4.5%面積が大きい結果が得られました。

ご飯の硬度は洗米時の水のpHが高いほど硬く、粘り気はpHが高いほど低くなりました。新米は古来よりも吸水量が大きく、これが ご飯の品質に関連していることが分かっています。

美味しさや食感に関わるのはでんぷんです。一般にでんぷんはアルカリ性で膨潤糊化することが知られています。

アルカリ性電解水に多く含まれている水酸化イオンとナトリウムイオンや、酸性電解水に多く含まれている塩素イオンもでんぶんの糊化を促進します。個人差はありますが、でんぷんによってより美味しさを感じるかもしれません。

非電解水のアルカリ性水で炊くと

引き続き、電解水以外のアルカリ性の水で洗米をした研究があったので紹介します。

2020年に一般社団法人・日本調理科学会発行の『日本調理科学会誌』(2020/Vol.53.No5 344~351)に、女子栄養大学の柴田らが、ホタテ貝殻焼成カルシウムを用いた洗米が貯蔵米の食味に及ぼす影響について報告しています。

ホタテ貝殻焼成カルシウムは水に溶かすと pH12の強いアルカリ性の溶液になり、天然の殺菌、抗菌作用を有する素材として野菜の洗浄などに使われています。

この研究では、①古米を普通の水で5回洗米したものと、②ホタテ貝殻焼成カルシウムを溶かした水で2回、さらに普通の水で3回洗米したものの2種類を比較しています。

洗米前と洗米後の米を走査電子顕微鏡で観察したところ、①の場合、洗米前は糠で覆われていた 表面が洗米で除去され、細胞壁やでんぷん粒が確認されました。②では若干、①よりもきれいになっている程度の変化でしたが、脂肪酸度の測定では有意に低下していました。これにより古米臭に変化が生じました。

というのも、味覚及び嗅覚試験に合格した11名が評価したところ、最大45%の臭いの減少を認め たのです。この臭いの成分はヘキサナールなどのアルデヒドなどと考えられています。

これは肪酸のリノール酸が酸化して生成されるものですから、洗米で肪酸が減って臭いが軽減したと考えられます。

もう一つ、ホタテ貝殻焼成カルシウムの後味に甘味があるのですが、そのためにご飯の甘味も増したという結果も得られました。

同様の報告が『日本食品科学工学会誌』(2004 /Vol51, No11 585~591)に竹炭浸積液を利 用したケースとして掲載されています。

わたしは以前、炊飯用の水を水道水から浄水に変えた時、ご飯の味が激変したのにびっくりしまし た。お米のせいじゃなかったんだ、お水が大事なんだと気づいた最初でした。そして今はもちろん還元水を使っていて、より美味しくいただいています。

最後に誤解している人も多いと思うので付け加えておきます。還元水で洗米すると水が黄色くなり ますが、これは米の植物色素フラボノイドがアルカリで黄色く変化したものです。

第18回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

脱水症状を克服するのに還元水飲用は有効か!?

男女100人が運動後に試みた

還元水と精製水の飲用比較

運動不足だからまずはウォーキングを始め ようと意気込んでみたけれども、日に焼けるのは嫌だし、長袖を着たら暑いし、汗をたくさんかいたら日焼け止めは流れてしまうし、といろいろな理由をつけてエアコンの効いた部屋から出られなくなる季節になってきました。

ところで「暑熱順化」という言葉があります。これは体温調整によって体が暑さに慣れることです。何の変哲もない言葉のようですが、体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされますから、暑熱順化の大切さは理解していただけると思います。

わたしたちは暑いところにいたり、運動をして体温が上がったりすると、発汗や皮膚の血管の拡張、または心拍数を上げるなどして体温調節をします。とくに汗は蒸発する時に気化熱で皮膚の温度を下げてくれる有益な役割があります。体温調整がうまくいかないと熱中症になりやすくなります。

初夏に暑いと思っていた気温が、夏本番になると涼しいと感じたことがあるのではないでしょうか? それはあなたが暑熱順化したからです。

暑く湿気た環境で還元水を飲むと・・・

 毎日、仕事柄、エアコンの効いた環境で過ごすという人も少なからずいるでしょう。ずっとエアコンの効いた部屋で生活すると、この暑熱順化ができません。

子どもは大人より外で走り回るから大丈夫だったのですが、最近は小中学校にもエアコンが完備されていますから、外で遊ばなければ子どもでも暑熱順化が不十分になる可能性があります。

暑熱順化するにあたって汗をかくので水をうまく摂りたいですね。そこで、湿度が高く暑い環境下で運動後に還元水を摂取すると、どういう結果が得られるのか、についての研究があったので紹介します。

2016年11月28日発行の国際スポーツ栄養学会誌に掲載された英語論文です。タイトルは「アルカリ性電解水の健康成人における血液粘度への影響」。

著者(所属)は、ジョセフ・ワイドマン(トーマス・ジェファーソン大学/米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)、ラフル・E・ホールスワース・Jr(南東コ ロラド病院/米国コロラド州スプリングフィールド)、グレゴリー・フリードマン(A.J.ドレクセル・プラズマ研究所/米国ニュージャージー州カムデン市)ほか3人(3団体)。

BMI29以下の男女50人ずつに試験

いうまでもなく、スポーツに限らず体を使う職種において適切に水分補給をおこなうことが大切です。運動中の発汗による体重の2%以上の減少は、生理的なパフォーマンスの低下と関連することが立証されています。

今回の研究では、運動で誘発した脱水後の回復のために、精製水とアルカリイオン水(還元水)をそれぞれ飲用した場合の血圧、心拍数等の各種測定や血液検査による生体マーカーの比較をおこないました。 25歳から49歳の成人ボランテイア100名(男性50名、女性50名)を対象として、還元水 と精製水のどちらを飲用しているのかを知らせない「無作為二重盲検」で実施しています。

対象者は(体重kg)÷(身長m)で計算される体格指数のBMIが29以下で非喫煙者、そして試験参加前に1週間以上投薬を受けていない人。また、24時間前から激しい運動やアルコール摂取を控え、カフェインの過剰摂取がないように指示しています。そして女性は妊娠・授乳・月経中ではなく、過去3カ月間に経口避妊薬を服用していないことを確認しています。

ちなみに日本肥満学会の基準では、BMIが 18.5~25未満は正常、25以上30未満が肥満1度とされます(基準は40以上の4度まである)。この日本の基準に当てはめると、アメリカ人は70%が肥満です。

試験開始時に各種測定、採血をおこない、その後は食事と水分摂取を控えるように指導しました。

そして、被験者はトレッドミル、固定式自転車、エリプティカルトレーナーのいずれかを使って、体重が2.0±0.2%減るまで有酸素運動をおこないました。部屋の温度は30°C、相対湿度70%の温熱環境としました。

運動終了後は21°Cで相対湿度60%の環境に移動して20分休息後に各種測定、採血をおこないました。

その後30分の間にボトル入りの精製水あるいはミネラルを添加した還元水を飲むよう指示しましたが、その量については最初の体重1kgあたり20mℓに設定し正確に測って渡しました(たとえば体重60kgの場合は1200mℓ)。90分間の回復期の間にも血液粘度と血漿浸透圧を6回測定しました。

試験時間は被験者によって異なり、4~8時間かかっています。精製水を飲んだ群と還元水を飲んだ群は、平均年齢、人種に差はなく、血圧、心拍数、呼吸数、体温などにも差はありませんでした。

還元水は血液粘度の回復に優位性

ではその結果です。血液粘度は運動により両群で同じように増加しましたが、還元水を飲んだ群は60分で運動前のレベルに戻りましたが、精製水を飲んだ群は120分後も元に戻りませんでした。血漿浸透圧、生体電気インピーダンス(体脂肪計に使用されている体内水分を測る方法)は両群に有意な差はありませんでした。

この試験では統計学的に還元水を飲んだ群の方が急性脱水後の血液粘度の回復が早いという結果になっています。要は早く血液サラサラになるということですね。

このメカニズムについて、今回の研究グループは酸化ストレスの軽減と関連している可能性が考えられると推察しています。

スポーツで体を動かしたり、激しい肉体労働をしたりするさい、ウォーキングの時のようにいつも水を飲める環境にはないことがあります。今回のデータは、急性脱水的なケースにおける適正な水分補給のあり方を示したといえるのではないでしょうか。

この研究結果を参考に、還元水による水分補給に気を配り、早く暑熱順化して、少しでも夏の暑さを楽に過ごしたいものです。

第17回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水と運動の併用でQOLの向上を促すか!?

SD501が生成した還元水をつかって

インドネシアで糖尿病患者に試験

食事は腹八分目が良いと昔から言われていますが、お腹いっぱいになるまで食べていませんか?

成長期をとっくに過ぎているのに、1年前に着ていた服がもう入らなくなったりしていませんか?

定期的に体を動かせていますか? いつも何かしら不平、不満が溜まることばかりと思っていませんか?

以上は順に、食べ過ぎ・肥満・運動不足・スト レスの状態を聞いた質問です。そしてこれらに 「イエス」と答えたら、全部、2型糖尿病への道につながる生活習慣になってしまっています。

ちなみに1型は自己免疫疾患で、生まれつきインスリンが不足して発症します。患者数は2型が圧倒的多数を占めています。

今回紹介する研究はすでに2型糖尿病になっている人に対してのものですが、上記に当てはまる人も絶対タメになる話ですから、ぜひ読んでください。

連載の第14回で、糖尿病と還元水の飲用 について日本での研究データを紹介しました。今回はインドネシアの研究所のデータを紹介してみます(研究は台北医科大学と合同で実施)。

それは、2型糖尿病患者が定期的な運動と還元水の飲用によって、炎症と酸化ストレスの軽減やQOL(Quality of Life/生活の質)の向上をもたらすか、という研究結果です(『Antioxidants』誌/2020年10月号掲載)。

増大するインドネシアの糖尿病患者

インドネシアの人口は日本より多く2億7,900万人です。平均年齢は30歳程度で、世界の平均年齢(2020年現在30.9歳)とほぼ同じ。ちなみに超高齢化した日本の平均年齢は48.4歳です。

インドネシアの糖尿病の患者は2019年に1,070万人で、2045年には1,660万人になると予想されています。

さらに近年、糖尿病に限らず多くの病気の発症に慢性的な炎症や酸化ストレスが関連していることが分かっています。

そこでこの研究は、経口血糖降下剤を飲んでいる2型糖尿病患者が、還元水をしっかり飲むことと、運動として定期的にウォーキングをすることで、酸化ストレスと炎症マーカーが改善し、QOLの改善効果をもたらすのか、を評価しました。

なお、参加した2型糖尿病患者の選定にあたっては、以下の9項目の除外基準を設定しています。

1還元水の飲用経験がある。2認知機能低下がある。3四肢切断など歩行不能である。4妊娠中。5抗うつ剤を飲んでいる。6聴覚障害がある。7血栓、ガン、自己免疫疾患、その他疾患の既往がある。8インシュリン注射をしている。9身体および精神障害により歩行困難である。

20人×4群に分けて試験を実施

試験は以下のように、20人ずつ4群に分けて実施しました。

1群:還元水を毎日2L飲むグループ。2群: 毎日30分ウォーキングするグループ。3群:還元水を毎日2L飲んで30分ウォーキングする グループ。4群:対照群としていままでと同じ生活をするグループ。

還元水はレベラックSD501を使って研究所が作成したものを週2回、pH9.5、ORP(酸化還元電位)-400.1±13.3mVに調整し、1日2Lを8週間飲むように指示しました。

ウォーキングはとくに距離や速度の指定はなく、8週間、週5回、少なくとも1回30分間歩くように指示しました。

QOLのスコアを評価する尺度は、国際的に最も普及している「S F-36」を使っています。これは「身体機能」「活力」「社会生活機能」「心の健康」など8つの領域で、36項目の質問に答えた内容を数値化する尺度です。1~100点で 計り、得点が高いほどQOLが高いと判断されます。

還元水+運動で顕著な効果

 では結果を見てみましょう。まず普段と同じ生活をおくる4群(対照群)では8週後に血糖値は変わらないものの、酸化ストレスの指標および炎症マーカーが高くなりました。他の3つの群は血糖値と酸化ストレスの指標、そして炎症マーカーも低下しました。

QOLスコアについては、「身体的要素」と「メンタル要素」に分けて得点化したところ、毎日30分 のウォーキングのみの2群では、身体的要素(45.16→60.81)、メンタル要素(47.54→61.32)とも有意に増加し、総合でも46.33 →61.09というスコアになりました。

還元水を毎日2L飲んだ1群のQOLスコアをみると、メンタル要素(46.52→47.21)は増加せず、 身体的要素(45.16→57.09)と総合(45.84→52.16)は増加しました。

毎日30分のウォーキングと還元水の毎日2L飲 用を組み合わせた3群では、1群と2群に比べさらにQOLスコアは増加し、身体的要素が44.94→67.69、メンタル要素は46.43→73.54、総合でも 45.69→70.62という好結果でした。

4群(対照群)のQOLスコアは、身体的要素 (43.99→42.11)、メンタル要素(46.66→47.84)、総合(45.33→44.98)と、ほとんど変化は認められませんでした。

ウォーキングのお供は還元水!

糖尿病の血糖値のコントロールには適度な運動が必要であることは以前から言われていますが、QOLの改善にもつながるということを、今回の試験で証明できました。

還元水の抗酸化作用、抗肥満作用、抗糖尿病作用については、これまでのいろいろな研究でも報告されています。それは高い還元力と溶存水素に起因するのではないかと言われてきました。加えて、運動トレーニング後の還元水の飲用効果についても報告があります(これについては追って紹介します)。

今回の試験は、3群のようにウォーキングと還元水の飲用を組み合わせると、相乗効果が得られる ことを示しました。

そこで今日からウォーキングを始めようと思った方にアドバイスを。

アスファルトやコンクリートは思っている以上に 膝に負担がかかり逆に膝を痛める原因になりますので、土の上をお勧めします。それがむずかしい場合は、ウォーキング用のクッションがある靴を履いてください。そして大きめのウェストポーチに還元水を忘れずに。

第16回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

マウスの実験が示した水素の脂肪肝抑制機能

水素が豊富な還元水の飲用で

非アルコール性脂肪肝に対処可能?

「脂肪肝」という名称を聞いたことがあるでしょうか? 肝臓の5%以上の細胞の中に脂肪が溜まっている状態のことです。エコー検査をすると肝臓が白く輝いた映像になるので、健康診断などで指摘されたことがある人もいるかもしれません。

この脂肪肝——よく知られているのがアルコールの飲み過ぎで起こるものです。しかし最近は、アルコールを飲んでいないにも関わらず起こる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されています。これが進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/ NASH)になりますが、昨今では、ウイルス肝炎を合併しない肝ガンが増えている主因と考えられています。

危険因子としては、肥満、糖尿病、脂質異常症、男性(であること)などがあげられます。 2009年から2010年に健康診断を受けた5,057人を対象に検討したところ、NAFLD /NASHは男性41.0%、女性17.7%に認められています(『日本消化器病学会雑誌』第 114巻・第5号「NAFLD/NASHの疫学とリスクファクター」より)。

還元水の持つ各種保護作用

脂肪肝は生活習慣を正すことで正常に戻すことができます。では、機能水にもその有効性があるのか、ということについて実験報告があったので紹介してみましょう。「高脂肪食非アルコール性脂肪肝モデルマウスにおけるアルカリ電解水および水素水の効果について」という論文がそれで、イスラエルのテルハイ大学が2018年12月に発行した『World J Gastroenterol』に掲載しました。

電解アルカリイオン水(EAW = 還元水)には抗肥満作用、抗酸化作用、抗糖尿病作用、肝保護作用があることが、各種学会等でこれまでに報告されています(本連載でも紹介してきました)。

還元水の持つ高いアルカリ性と低い酸化還元電位(ORP)という特性が、この作用をもたらしているのでは、とされてきました。ORPは水の酸化力または還元力の強さをV (ボルト)で表示する、エナジック販売店の皆さんなら関心の高い単位ですね。この数値がマイナスなら還元力が優れている、というわけ です。

最近ではこのほかにH2(水素分子)の役割も注目されています。以下に紹介するのは、還元水を使った実験A、および水素が豊富な水素水を使った実験Bとその結果です。

実験Aでは、餌と水分の摂り方で、マウスを以下、4つの群に分けました。①普通食と通常の水(市販のミネラルウォーター)、②普通食と還元水、③高脂肪食と通常の水、④高脂肪食と還元水。

ここで使用された還元水は(レベラックシリーズのような)連続通水式ではなく、水を溜め隔膜電解法でおこなう方式の生成器で作られました。

連続通水式の生成器の場合、水の種類や水量に応じて還元水のpHやORP値、また水素濃度は常に変化します。そこでこれを一定の条件に設定するため、水を溜めて生成するこの隔膜電解法の機械を使ったのです。

この生成器で市販のミネラルウォーター (pH7.8)を3時間連続電解してできた陰極の還元水(pH = 11±0.48、ORP = -495±27mV、H2=0.2mg/L)を実験に使用しました。

その結果ですが、高脂肪食を摂ったマウスは12週後には普通食を摂ったマウスより72%も体重が増加し、肝臓は脂肪肝になっていました。しかし、還元水と通常の水との間の差は認められませんでした。

還元水は作り立てを飲もう!

次が水素水を飲ませる実験Bで、高脂肪食の餌を与えたマウスを、飲ませる水の種類で3つの群に分けました。①通常の水、②低濃度の水素豊富水、③高濃度の水素豊富水です。

この水素豊富水は、マグネシウムを水に入れると水素分子が発生する性質を利用して作り、濃度は、高濃度水素水が0.8mg/Lで、低濃度水素水は0.3mg/Lに設定しました。pH は約8.0に調整し、水素濃度を一定に保っため、毎日測定されました。

また、平均の飲用量は高濃度の水素水のマウスで8.83mL/日、低濃度の水素水のマウスは3.66mL/日でした。通常の水を摂っていた対照群のマウスの飲用量は3.34mL/日でしたが、いずれも餌の摂取量に差はありませんでした。

結果を見ると、まず体重については、高濃度の水素水飲用のマウスは他のマウスに比べて増加は少なく、脂肪組織の増加も少ない結果となりました。肝臓の組織を観察しても同様な結果が得られました。

同時に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の関連遺伝子の発現についても検査を実施しましたが、高濃度の水素水を飲用したマウスのみに脂肪酸代謝関連遺伝子の発現の抑制が認められました。また、脂肪組織から血液中に分泌されるアディポネクチンというホルモンの増加が認められました。これはメタボ抑制に有効性があるとして注目されているものです。

高濃度の水素水を飲用したマウスの飲水量が他に比べて3倍にもなっている理由は分かりません。 しかし結果として低濃度の水素水の飲用マウスに比べ、(濃度と飲水量を掛け合わせると)H2の摂取 量は約8倍になっています。

いずれにしろ、この結果を見るかぎり、豊富な水素が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症抑制に関連している可能性が示唆されたといえます。

他方、実験Aでは、pHが十分に高くORPが低い還元水を使用したにも関わらず、NAFLDとの関連 性は認められませんでした。脂肪性肝疾患の抑制のために大切なのは水素ということになります。

これまでも溶存水素には肝保護作用があるのでは、という説が存在していました。豊富な水素水の 飲用マウスを使った実験Bは、それを裏付けたといえるかもしれません。ただし、水素濃度が高い必要のあることが分かりました。

還元水に含まれる溶存水素にも同じことが言えます。電解水生成器で生成した直後の還元水をコップに入れてみると、微細な泡がたくさん出ているのが見えます。これが溶存水素です。この水素はガスですから時間と共に抜けます。効果的に還元水を摂取するためには、なるべく作り立てを飲みたいものです。

第15回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

電解水ではたして悪臭は消せるのか?

電解水を使った「香害」対策の

研究結果で示されたこと!

「香害」(公害ではありませんよ)という言葉をご存知でしょうか? 柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤など、強い香りの入った製品による健康被害のことです。

【その香り困っている人がいるかも?】

これは、2021年8月に消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省が作成した合同ポスターのキャッチコピーです(右のポスターを参照)。そこにはこうも書いてあります。

「柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするという相談があります。自分にとって快適な香りでも、不快に感じる人がいることをご理解ください」

「香りの強さの感じ方には個人差があります。使用量の目安などを参考に、周囲の方にもご配慮いただきながらお使いください」

省庁が合同でこのようなポスターを制作しなければならないほど、「香害」はいま深刻になっています。実際、わたしたちの周囲にはさまざまな臭いを消すための人工的な香りで溢れています。

ドラッグストアに入ると、いろいろな商品の臭いが入り混じっています。わたしはとても苦手なので香りのついていない製品を探して買っています。

一方、化粧品の香りが以前より薄れたように思えるのは、人工的な香りが苦手な女性が増えたからでしょうか?

社会問題化する「化学物質過敏症」

こうした香りの大半が合成化学物質です。人によっては症状がきつくなって化学物質過敏症と診断され、どこにも出掛けられなくなるケースさえあります。社会問題にもなってきているのです。

このように香りをつける目的は不快な臭いを消すため、ということが多々あります。そこで香りに頼らず臭いだけを消す方法として電解水を使えないか、というユニークな研究を近畿大学工学部がおこない、論文を発表しています。

そのタイトルは「生活環境中の臭気成分に対する電解水の消臭効果」(『近畿大学工学部研究報告』No.54,2021年,p.13-16掲載)で、著者は野村正人近畿大学名誉教授ほか4人です。

現在、臭気成分としては22種類の化合物が指定されています。そのうちアンモニア臭やニンニク臭を含む12種類の臭気成分をA からDの4グループに分けて、消臭効果を測定しました。

消臭用に使用した「水」は、食塩水溶液(0. 2%以下)を電気分解してできた、酸性電解水とアルカリ性電解水(還元水)、そして精製水の3種類です。酸性電解水はpH3.0~5.0、 塩素濃度20~60ppmのもの。還元水はおよそ0.02%の水酸化ナトリウムを含むpH11~12の水溶液です。比較物質としては 精製水を使用しました。

電解水で消臭効果を測る実験

A~Dそれぞれの臭気成分は次のとおり。●Aグループ[窒素系:アンモニア(NH3)][トリメチルアミン(TMA)] ●Bグループ[アルデヒド系:アセトアルデヒド(AAA)][2-ノネナール(2-NA)] ●Cグループ[脂肪酸系:酢酸(AA)][イソ吉草酸(IVA)] ●Dグループ[硫黄系:硫化水素(H2S)] [メチルメルカプタンMM)][アリルメルカプタン (AM) ][アリルメチルスルフィド(AMS)][ジメチル ジスルフィド(DMDS)][ジメチルトリスルフィド (DMTS)]

結果は次のとおりでした。

Aグループの窒素系臭気成分は水溶性で、どの水でも消臭効果がありました。中でも酸性電解水が一番高く、TMAに対しては99%の消臭率を示しました。

一方、精製水は78.4%、還元水は78.4%でした。NH3も水溶性でどの水でも消臭効果が見られましたが、精製水で74.4%、酸性電解水で78.6%、還元水で64.3%という結果でした。

BグループのAAAはアルコールの分解過程で作られる物質ですから、酒臭い臭いです。消臭率は精製水18.7%、酸性電解水18.7%、還元水12.5%でした。加齢臭として知られる2 -NAの消臭率は、精製水16.6%、酸性電解水20.5%、還元水10.4%でした。

脂肪酸系のCグループはどの水でも97%以上と高い消臭率でした。硫黄系臭気成分のDグループの中では、ネギやニンニクの臭い成分であるAM とAMSに対しては、酸性電解水で90%の消臭率が確認されました。精製水や還元水は消臭率0%でした。

酸性電解水の消臭性を確認

AMとDMTSは最近、食事とは関係なく、ストレスがかかると普通の汗の臭いとは異なる不快な臭いとして発生することが知られています。DMTSについてはどの水も消臭率0%でした。

H2SとMMは口臭の原因にもなる物質ですが、MMに対しては酸性電解水が33.3%の消臭率、精製水は6.7%、還元水は11.1%でした。しかしH2S についてはいずれの水でも消臭率は0%でした。

この報告では酸性電解水が特にストレス臭のAMに有効で、その他、アルコール臭、加齢臭、口臭 にもある程度有効なことがわかりました。

ところでこれらの体臭の原因は、腸内状態とも密接に関連しています。そこで腸の健康を維持するための水分補給としては、還元水の飲用が最適である、ということはこの連載で何度か取り上げました。いわば還元水は「臭いのもと」を消すための有効性があるというわけです。

ほかにわたしがお奨めするのは、日々のストレスの解消のために自然の中で過ごしてみることです。 そうすると自然の香りが心身を癒してくれますし、芳香剤が不快に思えてくるかもしれません(わたし はそうでした)。

第14回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水飲用は糖尿病に効果を期待できる?

還元水飲用群と浄水飲用群で

比較実験した結果を紹介!

糖尿病患者は世界的に増加の一途を辿っています。以下、IDF(国際糖尿病連合)の統計数字を使って紹介してみます。2021年には糖尿病患者は世界で5億3,700万人、日本では1,100万人とされています。2015年の報告では日本の糖尿病患者数は世界9位でしたが、2017年には10位以下に下がりました。しかし2021年の数字では9位に戻ってしまったのです。

こうした糖尿病患者の90%が2型糖尿病で、主な原因は、都市化、高齢化、運動不足、不健康な食事、過体重や肥満です。ひと言では「生活習慣が原因」といえるでしょう(1型は自己免疫疾患が原因とされています)。

日本では2019年に糖尿病関連の医療費は2.6兆円使われていますから、予防と患者の削減は喫緊の課題といえます。

■効果的な運動療法と食事療法

糖尿病は薬物療法以外に運動療法、食事療法が大事です。これは健康的に生活する上でも同様です。

といっても激しい運動をする必要はありません、実は日常生活で十分に動けていれば、わざわざ運動をする必要はないのです。都市化で運動不足になるといわれていましたが、実は最近、地方の人の方が運動不足になることが多いのでは、とされつつあります。

というのも、地方では交通の便が悪いためどこに行くにも車が必要ですが、都会の場合は交通機関が発達しているので、案外、歩いています。注意しないといけないのは、コンク リートの上を歩くとクッションがないため膝を痛める原因になることです。

通勤時もクッション性のあるウォーキング用の靴を履いて、少し歩幅を広くして筋肉を使い歩くとそれだけでよい運動になります。そして休みの日にできれば土の上を歩く機会を作ると、とてもいい運動になります。ただし、整備された芝生は除草剤などの化学薬品が使われていることがあり、体に悪影響を与えることもあって注意が必要です。

糖尿病患者の食事の基本は、間食を控えて食べすぎず腹8分目までにすることです。そしてアルコールは飲みすぎないこと。食事内容としては、インスタント食品、加工食品、冷凍食品はなるべく避けましょう。砂糖を使わず、天然の塩、醤油、味噌、出汁で味付けをしたいですね。昔ながらのご飯と汁物、主菜と副菜の組み合わせが一番簡単で、糖尿病患者にふさわしい食事なのです

■高い血糖値=糖尿病ではない!?

糖尿病というのは血糖値が高いことだと思っている人が多いと思います。しかし食事を摂ると糖が消化吸収されて、誰でも血糖値は上がります。そして膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血中の糖を細胞の中に取り込んでエネルギーとして使用できるようにします。このインスリンの効き目がうまくいかなくなることを“インスリン抵抗性”といいます。肥満や運動不足などさまざまな原因によって、このインスリン抵抗性が高くなって血糖値が下がりにくくなると、たくさんのインスリンが必要になります。

それが長期間続くと膵臓が疲れてきてインスリンの分泌量が減退し、(2型)糖尿病になるわけです。この場合、運動療法や食事療法を頑張ってもインスリン抵抗性はなかなか改善しません。

■東北大学の実験が示した有益性

その解決策として期待されているのが、以下に示した実験のような「還元水の飲用」なのです。

東北大学高度教養教育・学生支援機構の小川晋准教授(研究当時は東北大学大学院医学系研究科)らのグループは、2型糖尿病患者が電解水素水(還元水)を日常的に飲用することで、高値のインスリン抵抗性に改善効果があることを明らかにしました(論文は日本糖尿病学会『Diabetology International」誌の電子版2021年7月18日号に掲載)。

実験は、インスリン治療を受けていない2型糖尿病患者を対象におこないました。電解水生成器を 還元水だけ出るものと浄水のみが出るものを見た目が分からないように改造し、患者も還元水だけと 浄水だけを飲む群に区分けました。

そして、それぞれに3カ月間、毎日1500mlから 2000mlを飲用してもらいました。そのうえで、還元 水を飲んだ群(23名)と浄水を飲んだ群(20名)で臨床データを比較しました。

そうすると、還元水を飲んだ群は血中の乳酸濃度が低下し、尿中への尿酸の排泄の増加と尿のpHの上昇が見られました。還元水を飲むことによる副作用は認められませんでした。論文の概要では、インスリン抵抗性の改善について2群間の有意な差は認められませんでした。

しかしインスリン抵抗性が1.73以上の高い群だけを取り出して解析したところ、インスリン抵抗性の改善と酸化ストレスの指標の一つである総酸化度(d-ROM)の低下が見られました。つまり活性酸素の働きが鈍ったとみることができます。

また、インスリン抵抗性が1.73未満の低い群については、還元水飲用群だけが総抗酸化度(BAP) が有意に上昇していました。これは抗酸化力が上がったということですから、歓迎すべき結果といえ ますね。

さらに、還元水を飲むと血清カリウム値が上昇したり、水素イオンが上昇したりすることで血中の酸性度が高くなって、さまざまな症状を引き起こすのでは、との懸念は杞憂でした。

また、水素イオンの上昇ではなく、水素分子の増加を示したため、「還元水はアルカリ性の水である」 ことを、改めて裏付けました。以下が実験の結論です。還元水の飲用は、不適切に増加した酸化ストレスを抑制し、インスリン抵抗性を減少させた。インスリン抵抗性が正常な人にとって還元水の飲用は 問題がなく、インスリン抵抗性が増加した2型糖尿病の人にとっては、有益な効果が期待できると考えられる一。

これは、健康維持のために飲む水として還元水が有用である、ということの裏付けの一つになる研究 ではないでしょうか。今後、さらに大規模なスタディ結果の発表が期待されます。

第13回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は肝臓機能障害を抑制するってホント?

「酒に強い」「酒に弱い」とはいったい何を意味しているのか

年末年始は、普段アルコールをあまり摂取 しない人でも、飲む機会が多くなるのではないでしょうか。

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素(ALDHI)によってアセトアルデヒドという物質に分解されます。次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって水と酢酸(お酢)に分解されます。日本人の4割はこの酵素の働きが弱く、4%は分解することができません。実は本人を含むモンゴロイド全体に同じ傾向があるのですが、アフリカ系やヨーロッパ系の人はALDH2の働きが弱かったり欠損していたり する人はゼロです。

お酒を飲むとすぐに真っ赤になったり頭痛や吐き気がしたりするのは、アセトアルデヒドが原因です。アセトアルデヒドはタンパク質やDNAと反応したり、活性酸素種を生成したりして肝細胞を傷つけ、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝癌などのアルコール性肝機能障害の原因になるこがわかっています。

■「酒豪」は脳の“感受性”の低下ゆえ?

お酒を飲み続けていると、以前よりも強くなった、どうしてなのだろうと思う方がいるでしょう。

肝臓のシトクロムという酵素の働きでアルコールの分解速度が上がって「強く」なることがあります。しかしそれより、飲み続けることで脳のアルコールに対する感受性が低下し、アルコールの血中濃度が以前より上がらないと酔わなくなったため、お酒が強くなったと感じてしまうのです。

逆に、昔はお酒が強かったけれど最近は弱くなったなあという人もいると思います。

これは、もともとあまり強くなかった人が飲み続けて脳の感受性が低下していたのに、飲む機会が減ったことで元に戻っているのかもしれません。

あるいは、加齢で肝臓の機能が落ちてきたことが原因かもしれません。それだけでなく肝臓に負担がかかっている状態、たとえばいろいろな薬を服用していたり、ストレスを溜めていたりすることで、肝臓が悲鳴を上げているからかもしれません。

焼酎やウイスキー、ブランデーなどアルコール度数の高いお酒を飲む合間に、水やアルコール度数の低いビールを飲むことがあります。これは悪酔いを防止する意味と脱水を防止する意味があるとされています。

アルコールは利尿作用がありますから、飲んだ量以上が尿になって出ていきます。それだけでなく、アルコールを分解する酵素が働くためには水分が必要なのでそこにも使われます。ですから水を飲まないと、どんどん脱水状態になってしまいます。

アルコール度数の高いお酒を飲んだ翌朝に、ものすごい喉の渇きを感じたりするのは、脱水状態になっているからです。

こうならないためにはアルコールを控えめにすることが一番なのですが、飲んでしまったら、しっかり還元水を飲むことがお勧めです。

この還元水が肝機能障害の抑制につながる可能性については、マウスを使った実験結果を9月号で紹介しました。ただし、そのメカニズムははっきりしていませんでした。

■ヒトの肝細胞株を使った実験結果

このメカニズムの解明について、早稲田大学・人間科学学術院の原太一教授らによる最新の研究 報告があったので紹介します(論文掲載誌は 『Antioxidants』2021年5月。アルカリイオン整水器協議会と早稲田大学のホームページでも紹介されています)。

この研究は肝細胞株を用いておこなわれました。肝細胞株がアルコールの中でどのような影響を受 けるのかを調べたのですが、アルコール濃度が高くなると、肝細胞株の24時間生存率が低くなりました。

具体的には、濃度4%で生存率は半分になり、8%になるとほぼゼロになりました。高濃度のアルコールの中で肝細胞株は生きられないのです。

これは浄水を使った実験でしたが、では還元水を使うとどうなるのか――(高~低)4段階の水素濃度の還元水に、それぞれ4%の比率のアルコールを混入させた(濃度4%の)培養液で肝細胞株を培養したところ、一番高いレベル4濃度12601350ppb(ppbは10億分の1単位)の還元水では、肝細胞株の生存率が浄水よりも優位に高くなりました。

また、アルコール度数を4%だけでなく、0、1、 2、8%でも実験培養したところ、肝細胞株の生存率は、アルコール度ゼロなら100%で、1%では還元水の方が浄水より生存率は上回り、2%は4% と同様の優位に高い生存率を示しました。しかし、8%になると、還元水でも浄水でも生存率はほぼ0%となりました。

さらに実験を重ねた結果、水素濃度が高い還元水はエタノールからアセトアルデヒドに分解される時に使われるALDH1の働きを抑制し、アセトアルデヒドから酢酸と水に分解するALDH2の働きを活性化することで、肝細胞株のアセトアルデヒドの量を減らすことが明らかになりました。

還元水は有毒なアセトアルデヒドの量を減らし、その結果、活性酸素種の生成を抑制して肝細胞を保護するのではないか、と論文では結論付けています。

ただし、この研究は細胞レベルのもので、実際に口から還元水を飲んだ場合に同じような結果が得られるかどうかは、これからの課題になります。

したがって、少々深酒をしても還元水さえ飲めば肝障害を防げるから安心、などと思って油断しないでください。それよりも、自分の体がアルコールにどれくらい耐性があるかを自覚して、楽しく健康を損なわないように、アルコールと付き合いたいものです。

第12回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水の飲用にビフィズス菌が増加?

還元水が腸内細菌に作用してあなたのウンチは健やかに!?

今回は、還元水の摂取が便の硬さと腸内細菌に及ぼす影響について実施された、興味深い研究結果を紹介します

まずお聞きしますが、あなたが日ごろ排泄している便はどんな様子ですか。ブリストル・スケールというモノサシ(下図)を使って、確認してみてください。

便のタイプを把握しよう!

タイプ1はコロコロ便。よくウサギのうんこみたいといわれる硬さと形のものです。タイプ2はソーセージ状でも硬いので、排便時にお尻が痛くなるような便です。タイプ3はやや硬く表面にひび割れがあるソーセージ状の便。タイプ4が普通便。スルスルっと排便できて多いととぐろを巻く便です。

タイプ5はやや軟らかい便で、しわがあって半分固形になっているものです。タイプ6は泥状便で、ふにゃふにゃで不定形の便です。タイプ7は固形物を含まない、いわゆる水様便です。このうちタイプ1、2は便秘状で、タイプ6、7は下痢便とされるものです。2019年に京都府立医科大学の伊藤義人教授や高木智久准教授らによる、日本人の便の硬さの調査・研究の結果が報告されました。

それによると、健康な男性の60%がタイプ5と6のゆるい便の傾向でした。一方、女性ではタイプ1、2の硬い便の割合が多く、若い男性ではタイプ1、2はなかったと報告されています。つまり男性は下痢傾向にある人が多く、女性は便秘傾向にある人が多いということです。

次に、学術雑誌『Medical Gas Research』 (2021年10月号)に発表された“アルカリイオン水(還元水)の摂取が便の硬さと腸内細菌叢に及ぼす影響”という内容の論文を紹介します。

山梨大学の小山勝弘教授らの研究で、健康なボランティアの男性20人に参加してもらい実施しました。参加者は年齢が30-59歳で非喫煙者、かつ抗酸化物質を常用せず、還元水も常用していない人たちです。また試験中は激しい運動はしないように指示しています。

半数の10名には、2週間、1日250ml入りのアルミパウチに入った還元水を2パウチ(500ml)飲んでもらいました。残り10名には アルミパウチ入りの浄水を同量、飲んでもらいました。この実験は誰が何を飲んだか分から ないよう二重盲検法でおこなっています。

なお、還元水も浄水も同じ水道水から同じ生成器で作ったもので、還元水はpH9.5、水素濃度0.3mg/Lに調整しました。

還元水飲用2週間後の結果は?

 試験参加者の便の硬さと排便回数はアンケートにとって記録しました。さらに排便回数が0回の日はブリストル・スケール値が出せなかったり、複数回の日は複数のスケール値になったりするため、2日間ごとにスケール値を合計し、それを排便回数で割ってデータとしました。たとえば2日間でスケール値が4と5の便が各1回とすると、(4+5)÷2回でスコアは4.5となります。

なお便の採取は試験開始前日と試験終了日におこなっています。

多くの日本人の腸内細菌叢は、アクチノバクテリア門、バクテロイデス門、ファーミキューテス門と呼ばれる3種類で構成されていますが、あらかじめ調べたところ、参加者も同様でした。

さてその試験結果はーーー。還元水を2週間飲用した10名のうち9名が、アクチノバクテリア門の割 合が有意に増加しました。他方、浄水を飲んだ群では有意な変化は見られませんでした。

より細かく解析したところ、還元水を飲んだ群はアクチノバクテリア門に含まれるビフィズス菌の割合が増加していました。浄水を飲んだ群に有意な変化はありませんでした。

ブリストル・スケールを見ると、還元水を飲んだ群の試験前はタイプ3から6に分散していましたが、試験後は正常のタイプ4に収束していました。浄水を飲んだ群は人によって変化はありましたが、一定の傾向は見られませんでした。

筆者も還元水飲用後に便を調べた!

『腸内細菌学雑誌』(2004年/18巻2号)に、ビフィズス菌を錠剤で摂取させたところ、便の硬さや回 数に改善が見られた、という森下仁丹の実験結果が載っていました。

前出の京都府立医科大学の試験結果は、この実験が裏打ちしていると思われます。つまり、還元水を飲むことでビフィズス菌が増加し、それが便の硬さなどを正常にさせたと考えられるのです。

ビフィズス菌というのは乳酸菌とともに腸内細菌の善玉菌の一種です。離乳前の赤ちゃんは便の 90%以上がビフィズス菌ですが、年齢とともに減ります。60歳以上になると0%になる人もいます。しかし菌の種類は一生を通じてほとんど変わりません。

また腸内細菌は年齢だけでなく、食べ物やストレスでバランスが変わることがあります。わたしは還元 水を飲み始める前に、興味があってある検査機関で自分の便の腸内細菌について調べました。そして還元水を飲み始めてから1年以上たった昨年10月に、もう一度検査をしてみました。

すると、飲用前に0.14%だったビフィズス菌は、4.51%と大幅に増加していました。ちなみにその検査機関での健常者の平均値は1.4%ですから、それと比較してもかなり増えたといえます。

その間、わたしはビフィズス菌のサプリメントや薬を飲んでいませんし、食生活が大きく変わったわけ でもありません。したがって、わたしの場合も腸内細菌の変化の原因に還元水が大きく関与していた可能性があります。

腸内細菌を調べなくても、善玉菌の割合が多いかどうか確認する簡単な方法があります。それは日々の便の様子を観察することです。善玉菌が増えると便はあまり臭くなくなり、色も黄土色、そしてブリストル・スケールのタイプ4になります。観察は健康増進のための第一歩ですよ。

第11回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は歯の酸蝕症を防ぐ効果がある?

酸性飲食物を摂取した口腔内は還元水飲用でどう変化するのか?

わたしたちが普段食べている食べ物や飲み物の影響で歯の酸蝕症が起こることがあります。還元水がこの酸蝕症の予防に効果的だという報告があったので紹介してみましょう。

そもそも酸蝕症とは、胃酸や酸性の飲食物によって歯が溶ける症状を指します。以前は酸性ガスを吸うことで起こる職業病として知られていたのですが、最近は、虫歯、歯周期についで多く、“歯の生活習慣病”として注目されています。

酸蝕症をもたらす飲食物

ところで一般的に飲料として売っているものの大半が、エナメル質界(エナメル質を溶かし始める)のpH5.5を下回っているとされています。つまり酸性です。

たとえばコーラはpH2.2、スポーツドリンクはpH3.3、ヨーグルトドリンクはpH3.9 オレンジジュースはpH3.7です。アルコール類は銘柄によって差がありますが、日本酒が pH4.2~4.7、ワインはpH3.0~3.5、ビール はpH4~5です。

また食べ物では柑橘類やそれに関わる調味料なども酸性のものがたくさんあります。たとえばポン酢はpH3.4~3.8、味噌はpH4.9 ~5.1、醤油はpH4.7~5.1といった具合です(数値は東京医科科大学・非常勤講師の北迫勇一氏による)。

酸蝕症の原因として一番多いのが、このような酸性飲食物の摂り過ぎだと言われています。

2015年に実施された東京医科科大学による疫学調査では、酸蝕症の罹患率は26.1%でした。そこでは欧州7カ国の罹患率が29%だったと いう調査結果も紹介されています。

酸蝕症は人一倍健康に注意していても罹る場合があります。たとえば、健康のためにお酢を朝晩飲んでいて発症した、とか、ビタミンCの補給のためにグレープフルーツを毎日二つ食べていたことが原因で発症した、という例も紹介されています。

具体的にはどんな症状が出るのでしょうか。歯が溶けることで歯が透き通ってきたり、丸みを帯びてきたりします。さらに進行すると、冷たい水が沁みたり、モノを噛んだ時に痛みが出たりします。歯の詰め物やかぶせたものが取れたり、歯の表面に小さな凹みができたりすることもあります。

予防するにはどうしたら良いのでしょう。酸性のものを長い間口の中に入れておかない。食べたすぐ後に歯を磨かない。寝る前の飲食は控える。pH を調整する役割がある唾液を出すようにする、といったことが推奨されています。

東海大学の研究結果を検証

次にアメリカの学術雑誌『Nutrients』(2021年発行)に掲載された東海大学の研究論文を紹介してみます。還元水が飲食による酸性症の発症予防になるという内容です。

酸によってエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すことを「脱灰」と言います。歯の表面のエナメル質も酸性の飲食物の影響を受けますが、唾液の持つ中和力によって徐々にpHが中性に戻ります。そこでこの研究では、エナメル質の表面のpHを持続的に測定できる機械を活用し、各種の飲料を飲んでもらってから、水道水と還元水を飲用してもらい、それぞれがpHに与える影響を調べました。

まず被験者5人の安静時のデータとして、昼食後に歯磨きをし、3時間後に歯のエナメル質の表面のpHを5分間連続測定して平均値を取ったところpH5.2~5.9でした。

この後、50mlのコーラ(pH2.2)を口に含んでから飲み込むと、pHは3.1~3.3に下がりました。 その後、6〜8分かけて徐々にpHは上がり、おおよそpH7になりました。

還元水と水道水の”還元効果比べ

その後、再度50mlのコーラを口に含んでから飲んでもらい、pHが最低になったところで還元水を 50ml飲んだところ、10~20秒後にpHはおおよそ7になり一定しました。還元水の代わりに水道水で同じ実験をすると、pHが戻るのに9~12分かかったのです。

次にスポーツドリンク(pH3.3)を使って同じ実験をおこなったところ、飲んだ時にはpH3.5~3.9に低 下したものの、還元水飲用で15~20秒後にはおおよそpH7に上昇しました。同じく水道水飲用では、 pH7に戻るのに12~15分もかかりました。

通常、酸性の飲料を飲んでエナメル質表面のpHが下がっても、唾液の作用で級やかに中性に戻ります。しかし実験では、中性に戻す時間は、水道水の飲 用では10分以上かかり、還元水の飲用なら20秒足らすぐ済むことが分かりました。

以前の研究で、還元水はだけでなく口腔内のフローラを改善する効果があることが認められていま す。そこで大学の報告では、還元水は酸 丘の防だけでなく、山門アローラが関連する疾患のリスク低減にも関与するのではないか、としています。

それだけでなく、この報告は、酸性の飲食物を取った時は十分量の還元水を用取することを勧めます、という文章で締めくくっています。

スポーツドリンクを人一倍飲用する、とされているスポーツ選手は、酸蝕症になりやすいと言われています。

その証拠にイギリスの学術雑誌「British Journal of Sports Medicine (2013. Vol17) は、2012年のロンドンオリンピックで歯科クリニックを受診した選手302人について調査をおこなったところ、45%の手が酸蝕症だったとされていま

わたしは手にスポーツドリンク、片手に還元水を持って、うまく摂取していくのがいいのではないかと思います。

第10回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は胃腸症状をどう改善するのか?

2大学が実施した「胃腸に及ぼす還元水の飲用効果」の研究を検証!

電解水生成器は、多くが家庭用医療機器として日常的に使用されています。最も多い活用法は還元水の飲用ではないでしょうか。胃腸症状の改善という、厚生労働省が認めた効果に期待してのことですね。

ではこの効果は、どのように医学的・科学的に立証されているのでしょう。これを考えるための研究が、過去にはいろいろな研究機関・大学等でおこなわれています。その中で、今回は2つの大学の興味深い研究結果を取り上げてみます。

まず最初は1999年に日本機能水学会が主催した「機能水シンポジウム」(2002年から「学術大会」と改称)で発表された、還元水の飲用による症状の改善についての床試験データです。滋賀医科大学が腹部に何らかの症状のある人たちを対象にテストをしました。

さらに、それから20年近くたった2018年には、大阪市立大学が同様の方法で実施した、健康な人に対するテストの臨床データが 「Medical Gas Research」という学術誌の2018年第8号に発表されました。

今回は、この2つの興味深い臨床データを用いて、還元水の能力に迫ってみたいと思います。

胃腸症状のある人への試験結果

滋賀医科大学の研究は、消化不良、胃腸内の異常発酵、不規則な排泄(慢性下、便秘)という腹部の症状を持った患者163名(男性34名、女性129名)を対象に、浄水を飲む群(79名)と還元水 を飲む群(84名)にわけて、二重盲検法(被験者も研究者もどちらの水を誰が飲んでいるのか分から ない方法)でおこなっています。

飲用還元水はpH9.5でカルシウム濃度は30ppmです。被験者には4週間、毎日、起床時に 200mlを、1日で合計500ml以上の飲用をしてもらいました。

そしてその試験期間4週間の前後で、血液検査、尿検査、便の検査を実施し、加えて自覚症状を 聴取しています。

その結果、全体の改善率を見ると、還元水を飲んだ群は改善例が64例(76%)で、変化がなかった群が17例(20%)でした。

一方、浄水を飲んだ群の改善例と変化ナシ例は、それぞれ50例(63%)と27例(34%)でした。

次に症状別にみると、慢性の下痢があった患者は、還元水を飲んだ群では94.1%が改善していますが、浄水では64.7%に留まっていました。また腹部愁訴(胃もたれ、膨満感、胸焼け、ゲップなどの自覚はあるものの検査では異常が出ないもの)に対しては、還元水では85.7%が改善し、浄水では47.1%でした。

なお、いずれの被験者にも重篤な副作用や検査値の異常はなく、還元水飲用の安全性が確認されています。

こうした研究結果がなぜ出てくるのかということについては、多くの機関や研究者によって検討されてきています。たとえば還元水の溶存水素や腸内細菌レベル等の影響はどうか、といった ことなどです。これらについては、この欄で追って取り上げることにしましょう。

健康な人への還元水の影響は?

次に取り上げるのは、2018年に滋賀医科大学と同様の方法により、大阪市立大学で実施され た、 症状のない健常な人の臨床研究です。20 歳から60歳の普段、症状のない健康な60人を対象としています。

また、水質を同じにするため、普段使っている水道水の水源が同じ、もしくは近隣になるように被験者を選定しました。

試験は、30人ずつ無作為に、還元水を飲むグループと浄水を飲むグループに分けて二重盲検法でおこないました。4週間、毎日、起床時に200mlの水を飲んでもらい、それ以外に1日最低 300mlの水を飲んでもらいました。そして試験期間4週間の前後に血液検査、体力測定、アンケー ト調査を実施したのです。

なお、浄水のpHは7.6±0.2で、還元水はpH9.2±0.2でした。水素濃度は、浄水が0mg/ℓで還元水は0.2mg/ℓでした。

さてその結果です。血液検査では還元水を飲んだグループのHDLコレステロールが、有意差はないものの少し高くなっていました。ちなみにHDL コレステロールの数値の検討はこれまで実施されていないようです。

付記すると、HDL(善玉)コレステロールはLDL (悪玉)コレステロールとは逆に、動脈硬化を抑制

する働きがあります。したがって、この数値の判定には意義があると思います。

尿の回数は両群とも飲用前より増えています。便の状態については、還元水を飲んだ群では柔らかめの便が普通便になったり、逆に硬めの便が普通便になったりと改善した人がありました。また、還元水を飲むとぐっすり眠れる、目覚めが良いと答えた人の割合が増えました。

一方、浄水の場合は睡眠への影響は見られませんでした。還元水で便の状態が良くなりぐっすり眠れるというのは、全体的に健康的になると考えて良いのではないでしょうか。

日々の飲用量や体調のチェックを

この研究は、もともとほとんど自覚症状のない人を対象にした4週間という短期間で、かつ水分摂取量も1日500mlと、少なく設定されていました。にも関わらずこのような結果が出ています。

尿の回数に関しても、おそらくほとんどの被験者が普段よりも増えたと考えられます。

最低500mlの飲用というアバウトなものではなく、 具体的にどれくらい飲んだのか、細かいデータと1日の尿量データがあれば、もっと興味深いテストになったと思いました。 毎日の健康管理を兼ねて、飲んだ還元水の量や睡眠、便の状態などを、日々の体調を含め記録してみると、何か新しい発見があるかもしれません。もし そういうデータが集まれば、わたしは医師としてKangen Waterと健康との関連性を検討・分析してみたいと思います。いかがでしょうか?