第16回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

マウスの実験が示した水素の脂肪肝抑制機能

水素が豊富な還元水の飲用で

非アルコール性脂肪肝に対処可能?

「脂肪肝」という名称を聞いたことがあるでしょうか? 肝臓の5%以上の細胞の中に脂肪が溜まっている状態のことです。エコー検査をすると肝臓が白く輝いた映像になるので、健康診断などで指摘されたことがある人もいるかもしれません。

この脂肪肝——よく知られているのがアルコールの飲み過ぎで起こるものです。しかし最近は、アルコールを飲んでいないにも関わらず起こる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されています。これが進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/ NASH)になりますが、昨今では、ウイルス肝炎を合併しない肝ガンが増えている主因と考えられています。

危険因子としては、肥満、糖尿病、脂質異常症、男性(であること)などがあげられます。 2009年から2010年に健康診断を受けた5,057人を対象に検討したところ、NAFLD /NASHは男性41.0%、女性17.7%に認められています(『日本消化器病学会雑誌』第 114巻・第5号「NAFLD/NASHの疫学とリスクファクター」より)。

還元水の持つ各種保護作用

脂肪肝は生活習慣を正すことで正常に戻すことができます。では、機能水にもその有効性があるのか、ということについて実験報告があったので紹介してみましょう。「高脂肪食非アルコール性脂肪肝モデルマウスにおけるアルカリ電解水および水素水の効果について」という論文がそれで、イスラエルのテルハイ大学が2018年12月に発行した『World J Gastroenterol』に掲載しました。

電解アルカリイオン水(EAW = 還元水)には抗肥満作用、抗酸化作用、抗糖尿病作用、肝保護作用があることが、各種学会等でこれまでに報告されています(本連載でも紹介してきました)。

還元水の持つ高いアルカリ性と低い酸化還元電位(ORP)という特性が、この作用をもたらしているのでは、とされてきました。ORPは水の酸化力または還元力の強さをV (ボルト)で表示する、エナジック販売店の皆さんなら関心の高い単位ですね。この数値がマイナスなら還元力が優れている、というわけ です。

最近ではこのほかにH2(水素分子)の役割も注目されています。以下に紹介するのは、還元水を使った実験A、および水素が豊富な水素水を使った実験Bとその結果です。

実験Aでは、餌と水分の摂り方で、マウスを以下、4つの群に分けました。①普通食と通常の水(市販のミネラルウォーター)、②普通食と還元水、③高脂肪食と通常の水、④高脂肪食と還元水。

ここで使用された還元水は(レベラックシリーズのような)連続通水式ではなく、水を溜め隔膜電解法でおこなう方式の生成器で作られました。

連続通水式の生成器の場合、水の種類や水量に応じて還元水のpHやORP値、また水素濃度は常に変化します。そこでこれを一定の条件に設定するため、水を溜めて生成するこの隔膜電解法の機械を使ったのです。

この生成器で市販のミネラルウォーター (pH7.8)を3時間連続電解してできた陰極の還元水(pH = 11±0.48、ORP = -495±27mV、H2=0.2mg/L)を実験に使用しました。

その結果ですが、高脂肪食を摂ったマウスは12週後には普通食を摂ったマウスより72%も体重が増加し、肝臓は脂肪肝になっていました。しかし、還元水と通常の水との間の差は認められませんでした。

還元水は作り立てを飲もう!

次が水素水を飲ませる実験Bで、高脂肪食の餌を与えたマウスを、飲ませる水の種類で3つの群に分けました。①通常の水、②低濃度の水素豊富水、③高濃度の水素豊富水です。

この水素豊富水は、マグネシウムを水に入れると水素分子が発生する性質を利用して作り、濃度は、高濃度水素水が0.8mg/Lで、低濃度水素水は0.3mg/Lに設定しました。pH は約8.0に調整し、水素濃度を一定に保っため、毎日測定されました。

また、平均の飲用量は高濃度の水素水のマウスで8.83mL/日、低濃度の水素水のマウスは3.66mL/日でした。通常の水を摂っていた対照群のマウスの飲用量は3.34mL/日でしたが、いずれも餌の摂取量に差はありませんでした。

結果を見ると、まず体重については、高濃度の水素水飲用のマウスは他のマウスに比べて増加は少なく、脂肪組織の増加も少ない結果となりました。肝臓の組織を観察しても同様な結果が得られました。

同時に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の関連遺伝子の発現についても検査を実施しましたが、高濃度の水素水を飲用したマウスのみに脂肪酸代謝関連遺伝子の発現の抑制が認められました。また、脂肪組織から血液中に分泌されるアディポネクチンというホルモンの増加が認められました。これはメタボ抑制に有効性があるとして注目されているものです。

高濃度の水素水を飲用したマウスの飲水量が他に比べて3倍にもなっている理由は分かりません。 しかし結果として低濃度の水素水の飲用マウスに比べ、(濃度と飲水量を掛け合わせると)H2の摂取 量は約8倍になっています。

いずれにしろ、この結果を見るかぎり、豊富な水素が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症抑制に関連している可能性が示唆されたといえます。

他方、実験Aでは、pHが十分に高くORPが低い還元水を使用したにも関わらず、NAFLDとの関連 性は認められませんでした。脂肪性肝疾患の抑制のために大切なのは水素ということになります。

これまでも溶存水素には肝保護作用があるのでは、という説が存在していました。豊富な水素水の 飲用マウスを使った実験Bは、それを裏付けたといえるかもしれません。ただし、水素濃度が高い必要のあることが分かりました。

還元水に含まれる溶存水素にも同じことが言えます。電解水生成器で生成した直後の還元水をコップに入れてみると、微細な泡がたくさん出ているのが見えます。これが溶存水素です。この水素はガスですから時間と共に抜けます。効果的に還元水を摂取するためには、なるべく作り立てを飲みたいものです。

第15回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

電解水ではたして悪臭は消せるのか?

電解水を使った「香害」対策の

研究結果で示されたこと!

「香害」(公害ではありませんよ)という言葉をご存知でしょうか? 柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤など、強い香りの入った製品による健康被害のことです。

【その香り困っている人がいるかも?】

これは、2021年8月に消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省が作成した合同ポスターのキャッチコピーです(右のポスターを参照)。そこにはこうも書いてあります。

「柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするという相談があります。自分にとって快適な香りでも、不快に感じる人がいることをご理解ください」

「香りの強さの感じ方には個人差があります。使用量の目安などを参考に、周囲の方にもご配慮いただきながらお使いください」

省庁が合同でこのようなポスターを制作しなければならないほど、「香害」はいま深刻になっています。実際、わたしたちの周囲にはさまざまな臭いを消すための人工的な香りで溢れています。

ドラッグストアに入ると、いろいろな商品の臭いが入り混じっています。わたしはとても苦手なので香りのついていない製品を探して買っています。

一方、化粧品の香りが以前より薄れたように思えるのは、人工的な香りが苦手な女性が増えたからでしょうか?

社会問題化する「化学物質過敏症」

こうした香りの大半が合成化学物質です。人によっては症状がきつくなって化学物質過敏症と診断され、どこにも出掛けられなくなるケースさえあります。社会問題にもなってきているのです。

このように香りをつける目的は不快な臭いを消すため、ということが多々あります。そこで香りに頼らず臭いだけを消す方法として電解水を使えないか、というユニークな研究を近畿大学工学部がおこない、論文を発表しています。

そのタイトルは「生活環境中の臭気成分に対する電解水の消臭効果」(『近畿大学工学部研究報告』No.54,2021年,p.13-16掲載)で、著者は野村正人近畿大学名誉教授ほか4人です。

現在、臭気成分としては22種類の化合物が指定されています。そのうちアンモニア臭やニンニク臭を含む12種類の臭気成分をA からDの4グループに分けて、消臭効果を測定しました。

消臭用に使用した「水」は、食塩水溶液(0. 2%以下)を電気分解してできた、酸性電解水とアルカリ性電解水(還元水)、そして精製水の3種類です。酸性電解水はpH3.0~5.0、 塩素濃度20~60ppmのもの。還元水はおよそ0.02%の水酸化ナトリウムを含むpH11~12の水溶液です。比較物質としては 精製水を使用しました。

電解水で消臭効果を測る実験

A~Dそれぞれの臭気成分は次のとおり。●Aグループ[窒素系:アンモニア(NH3)][トリメチルアミン(TMA)] ●Bグループ[アルデヒド系:アセトアルデヒド(AAA)][2-ノネナール(2-NA)] ●Cグループ[脂肪酸系:酢酸(AA)][イソ吉草酸(IVA)] ●Dグループ[硫黄系:硫化水素(H2S)] [メチルメルカプタンMM)][アリルメルカプタン (AM) ][アリルメチルスルフィド(AMS)][ジメチル ジスルフィド(DMDS)][ジメチルトリスルフィド (DMTS)]

結果は次のとおりでした。

Aグループの窒素系臭気成分は水溶性で、どの水でも消臭効果がありました。中でも酸性電解水が一番高く、TMAに対しては99%の消臭率を示しました。

一方、精製水は78.4%、還元水は78.4%でした。NH3も水溶性でどの水でも消臭効果が見られましたが、精製水で74.4%、酸性電解水で78.6%、還元水で64.3%という結果でした。

BグループのAAAはアルコールの分解過程で作られる物質ですから、酒臭い臭いです。消臭率は精製水18.7%、酸性電解水18.7%、還元水12.5%でした。加齢臭として知られる2 -NAの消臭率は、精製水16.6%、酸性電解水20.5%、還元水10.4%でした。

脂肪酸系のCグループはどの水でも97%以上と高い消臭率でした。硫黄系臭気成分のDグループの中では、ネギやニンニクの臭い成分であるAM とAMSに対しては、酸性電解水で90%の消臭率が確認されました。精製水や還元水は消臭率0%でした。

酸性電解水の消臭性を確認

AMとDMTSは最近、食事とは関係なく、ストレスがかかると普通の汗の臭いとは異なる不快な臭いとして発生することが知られています。DMTSについてはどの水も消臭率0%でした。

H2SとMMは口臭の原因にもなる物質ですが、MMに対しては酸性電解水が33.3%の消臭率、精製水は6.7%、還元水は11.1%でした。しかしH2S についてはいずれの水でも消臭率は0%でした。

この報告では酸性電解水が特にストレス臭のAMに有効で、その他、アルコール臭、加齢臭、口臭 にもある程度有効なことがわかりました。

ところでこれらの体臭の原因は、腸内状態とも密接に関連しています。そこで腸の健康を維持するための水分補給としては、還元水の飲用が最適である、ということはこの連載で何度か取り上げました。いわば還元水は「臭いのもと」を消すための有効性があるというわけです。

ほかにわたしがお奨めするのは、日々のストレスの解消のために自然の中で過ごしてみることです。 そうすると自然の香りが心身を癒してくれますし、芳香剤が不快に思えてくるかもしれません(わたし はそうでした)。

第14回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水飲用は糖尿病に効果を期待できる?

還元水飲用群と浄水飲用群で

比較実験した結果を紹介!

糖尿病患者は世界的に増加の一途を辿っています。以下、IDF(国際糖尿病連合)の統計数字を使って紹介してみます。2021年には糖尿病患者は世界で5億3,700万人、日本では1,100万人とされています。2015年の報告では日本の糖尿病患者数は世界9位でしたが、2017年には10位以下に下がりました。しかし2021年の数字では9位に戻ってしまったのです。

こうした糖尿病患者の90%が2型糖尿病で、主な原因は、都市化、高齢化、運動不足、不健康な食事、過体重や肥満です。ひと言では「生活習慣が原因」といえるでしょう(1型は自己免疫疾患が原因とされています)。

日本では2019年に糖尿病関連の医療費は2.6兆円使われていますから、予防と患者の削減は喫緊の課題といえます。

■効果的な運動療法と食事療法

糖尿病は薬物療法以外に運動療法、食事療法が大事です。これは健康的に生活する上でも同様です。

といっても激しい運動をする必要はありません、実は日常生活で十分に動けていれば、わざわざ運動をする必要はないのです。都市化で運動不足になるといわれていましたが、実は最近、地方の人の方が運動不足になることが多いのでは、とされつつあります。

というのも、地方では交通の便が悪いためどこに行くにも車が必要ですが、都会の場合は交通機関が発達しているので、案外、歩いています。注意しないといけないのは、コンク リートの上を歩くとクッションがないため膝を痛める原因になることです。

通勤時もクッション性のあるウォーキング用の靴を履いて、少し歩幅を広くして筋肉を使い歩くとそれだけでよい運動になります。そして休みの日にできれば土の上を歩く機会を作ると、とてもいい運動になります。ただし、整備された芝生は除草剤などの化学薬品が使われていることがあり、体に悪影響を与えることもあって注意が必要です。

糖尿病患者の食事の基本は、間食を控えて食べすぎず腹8分目までにすることです。そしてアルコールは飲みすぎないこと。食事内容としては、インスタント食品、加工食品、冷凍食品はなるべく避けましょう。砂糖を使わず、天然の塩、醤油、味噌、出汁で味付けをしたいですね。昔ながらのご飯と汁物、主菜と副菜の組み合わせが一番簡単で、糖尿病患者にふさわしい食事なのです

■高い血糖値=糖尿病ではない!?

糖尿病というのは血糖値が高いことだと思っている人が多いと思います。しかし食事を摂ると糖が消化吸収されて、誰でも血糖値は上がります。そして膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血中の糖を細胞の中に取り込んでエネルギーとして使用できるようにします。このインスリンの効き目がうまくいかなくなることを“インスリン抵抗性”といいます。肥満や運動不足などさまざまな原因によって、このインスリン抵抗性が高くなって血糖値が下がりにくくなると、たくさんのインスリンが必要になります。

それが長期間続くと膵臓が疲れてきてインスリンの分泌量が減退し、(2型)糖尿病になるわけです。この場合、運動療法や食事療法を頑張ってもインスリン抵抗性はなかなか改善しません。

■東北大学の実験が示した有益性

その解決策として期待されているのが、以下に示した実験のような「還元水の飲用」なのです。

東北大学高度教養教育・学生支援機構の小川晋准教授(研究当時は東北大学大学院医学系研究科)らのグループは、2型糖尿病患者が電解水素水(還元水)を日常的に飲用することで、高値のインスリン抵抗性に改善効果があることを明らかにしました(論文は日本糖尿病学会『Diabetology International」誌の電子版2021年7月18日号に掲載)。

実験は、インスリン治療を受けていない2型糖尿病患者を対象におこないました。電解水生成器を 還元水だけ出るものと浄水のみが出るものを見た目が分からないように改造し、患者も還元水だけと 浄水だけを飲む群に区分けました。

そして、それぞれに3カ月間、毎日1500mlから 2000mlを飲用してもらいました。そのうえで、還元 水を飲んだ群(23名)と浄水を飲んだ群(20名)で臨床データを比較しました。

そうすると、還元水を飲んだ群は血中の乳酸濃度が低下し、尿中への尿酸の排泄の増加と尿のpHの上昇が見られました。還元水を飲むことによる副作用は認められませんでした。論文の概要では、インスリン抵抗性の改善について2群間の有意な差は認められませんでした。

しかしインスリン抵抗性が1.73以上の高い群だけを取り出して解析したところ、インスリン抵抗性の改善と酸化ストレスの指標の一つである総酸化度(d-ROM)の低下が見られました。つまり活性酸素の働きが鈍ったとみることができます。

また、インスリン抵抗性が1.73未満の低い群については、還元水飲用群だけが総抗酸化度(BAP) が有意に上昇していました。これは抗酸化力が上がったということですから、歓迎すべき結果といえ ますね。

さらに、還元水を飲むと血清カリウム値が上昇したり、水素イオンが上昇したりすることで血中の酸性度が高くなって、さまざまな症状を引き起こすのでは、との懸念は杞憂でした。

また、水素イオンの上昇ではなく、水素分子の増加を示したため、「還元水はアルカリ性の水である」 ことを、改めて裏付けました。以下が実験の結論です。還元水の飲用は、不適切に増加した酸化ストレスを抑制し、インスリン抵抗性を減少させた。インスリン抵抗性が正常な人にとって還元水の飲用は 問題がなく、インスリン抵抗性が増加した2型糖尿病の人にとっては、有益な効果が期待できると考えられる一。

これは、健康維持のために飲む水として還元水が有用である、ということの裏付けの一つになる研究 ではないでしょうか。今後、さらに大規模なスタディ結果の発表が期待されます。

第13回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は肝臓機能障害を抑制するってホント?

「酒に強い」「酒に弱い」とはいったい何を意味しているのか

年末年始は、普段アルコールをあまり摂取 しない人でも、飲む機会が多くなるのではないでしょうか。

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素(ALDHI)によってアセトアルデヒドという物質に分解されます。次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって水と酢酸(お酢)に分解されます。日本人の4割はこの酵素の働きが弱く、4%は分解することができません。実は本人を含むモンゴロイド全体に同じ傾向があるのですが、アフリカ系やヨーロッパ系の人はALDH2の働きが弱かったり欠損していたり する人はゼロです。

お酒を飲むとすぐに真っ赤になったり頭痛や吐き気がしたりするのは、アセトアルデヒドが原因です。アセトアルデヒドはタンパク質やDNAと反応したり、活性酸素種を生成したりして肝細胞を傷つけ、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝癌などのアルコール性肝機能障害の原因になるこがわかっています。

■「酒豪」は脳の“感受性”の低下ゆえ?

お酒を飲み続けていると、以前よりも強くなった、どうしてなのだろうと思う方がいるでしょう。

肝臓のシトクロムという酵素の働きでアルコールの分解速度が上がって「強く」なることがあります。しかしそれより、飲み続けることで脳のアルコールに対する感受性が低下し、アルコールの血中濃度が以前より上がらないと酔わなくなったため、お酒が強くなったと感じてしまうのです。

逆に、昔はお酒が強かったけれど最近は弱くなったなあという人もいると思います。

これは、もともとあまり強くなかった人が飲み続けて脳の感受性が低下していたのに、飲む機会が減ったことで元に戻っているのかもしれません。

あるいは、加齢で肝臓の機能が落ちてきたことが原因かもしれません。それだけでなく肝臓に負担がかかっている状態、たとえばいろいろな薬を服用していたり、ストレスを溜めていたりすることで、肝臓が悲鳴を上げているからかもしれません。

焼酎やウイスキー、ブランデーなどアルコール度数の高いお酒を飲む合間に、水やアルコール度数の低いビールを飲むことがあります。これは悪酔いを防止する意味と脱水を防止する意味があるとされています。

アルコールは利尿作用がありますから、飲んだ量以上が尿になって出ていきます。それだけでなく、アルコールを分解する酵素が働くためには水分が必要なのでそこにも使われます。ですから水を飲まないと、どんどん脱水状態になってしまいます。

アルコール度数の高いお酒を飲んだ翌朝に、ものすごい喉の渇きを感じたりするのは、脱水状態になっているからです。

こうならないためにはアルコールを控えめにすることが一番なのですが、飲んでしまったら、しっかり還元水を飲むことがお勧めです。

この還元水が肝機能障害の抑制につながる可能性については、マウスを使った実験結果を9月号で紹介しました。ただし、そのメカニズムははっきりしていませんでした。

■ヒトの肝細胞株を使った実験結果

このメカニズムの解明について、早稲田大学・人間科学学術院の原太一教授らによる最新の研究 報告があったので紹介します(論文掲載誌は 『Antioxidants』2021年5月。アルカリイオン整水器協議会と早稲田大学のホームページでも紹介されています)。

この研究は肝細胞株を用いておこなわれました。肝細胞株がアルコールの中でどのような影響を受 けるのかを調べたのですが、アルコール濃度が高くなると、肝細胞株の24時間生存率が低くなりました。

具体的には、濃度4%で生存率は半分になり、8%になるとほぼゼロになりました。高濃度のアルコールの中で肝細胞株は生きられないのです。

これは浄水を使った実験でしたが、では還元水を使うとどうなるのか――(高~低)4段階の水素濃度の還元水に、それぞれ4%の比率のアルコールを混入させた(濃度4%の)培養液で肝細胞株を培養したところ、一番高いレベル4濃度12601350ppb(ppbは10億分の1単位)の還元水では、肝細胞株の生存率が浄水よりも優位に高くなりました。

また、アルコール度数を4%だけでなく、0、1、 2、8%でも実験培養したところ、肝細胞株の生存率は、アルコール度ゼロなら100%で、1%では還元水の方が浄水より生存率は上回り、2%は4% と同様の優位に高い生存率を示しました。しかし、8%になると、還元水でも浄水でも生存率はほぼ0%となりました。

さらに実験を重ねた結果、水素濃度が高い還元水はエタノールからアセトアルデヒドに分解される時に使われるALDH1の働きを抑制し、アセトアルデヒドから酢酸と水に分解するALDH2の働きを活性化することで、肝細胞株のアセトアルデヒドの量を減らすことが明らかになりました。

還元水は有毒なアセトアルデヒドの量を減らし、その結果、活性酸素種の生成を抑制して肝細胞を保護するのではないか、と論文では結論付けています。

ただし、この研究は細胞レベルのもので、実際に口から還元水を飲んだ場合に同じような結果が得られるかどうかは、これからの課題になります。

したがって、少々深酒をしても還元水さえ飲めば肝障害を防げるから安心、などと思って油断しないでください。それよりも、自分の体がアルコールにどれくらい耐性があるかを自覚して、楽しく健康を損なわないように、アルコールと付き合いたいものです。

第12回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水の飲用にビフィズス菌が増加?

還元水が腸内細菌に作用してあなたのウンチは健やかに!?

今回は、還元水の摂取が便の硬さと腸内細菌に及ぼす影響について実施された、興味深い研究結果を紹介します

まずお聞きしますが、あなたが日ごろ排泄している便はどんな様子ですか。ブリストル・スケールというモノサシ(下図)を使って、確認してみてください。

便のタイプを把握しよう!

タイプ1はコロコロ便。よくウサギのうんこみたいといわれる硬さと形のものです。タイプ2はソーセージ状でも硬いので、排便時にお尻が痛くなるような便です。タイプ3はやや硬く表面にひび割れがあるソーセージ状の便。タイプ4が普通便。スルスルっと排便できて多いととぐろを巻く便です。

タイプ5はやや軟らかい便で、しわがあって半分固形になっているものです。タイプ6は泥状便で、ふにゃふにゃで不定形の便です。タイプ7は固形物を含まない、いわゆる水様便です。このうちタイプ1、2は便秘状で、タイプ6、7は下痢便とされるものです。2019年に京都府立医科大学の伊藤義人教授や高木智久准教授らによる、日本人の便の硬さの調査・研究の結果が報告されました。

それによると、健康な男性の60%がタイプ5と6のゆるい便の傾向でした。一方、女性ではタイプ1、2の硬い便の割合が多く、若い男性ではタイプ1、2はなかったと報告されています。つまり男性は下痢傾向にある人が多く、女性は便秘傾向にある人が多いということです。

次に、学術雑誌『Medical Gas Research』 (2021年10月号)に発表された“アルカリイオン水(還元水)の摂取が便の硬さと腸内細菌叢に及ぼす影響”という内容の論文を紹介します。

山梨大学の小山勝弘教授らの研究で、健康なボランティアの男性20人に参加してもらい実施しました。参加者は年齢が30-59歳で非喫煙者、かつ抗酸化物質を常用せず、還元水も常用していない人たちです。また試験中は激しい運動はしないように指示しています。

半数の10名には、2週間、1日250ml入りのアルミパウチに入った還元水を2パウチ(500ml)飲んでもらいました。残り10名には アルミパウチ入りの浄水を同量、飲んでもらいました。この実験は誰が何を飲んだか分から ないよう二重盲検法でおこなっています。

なお、還元水も浄水も同じ水道水から同じ生成器で作ったもので、還元水はpH9.5、水素濃度0.3mg/Lに調整しました。

還元水飲用2週間後の結果は?

 試験参加者の便の硬さと排便回数はアンケートにとって記録しました。さらに排便回数が0回の日はブリストル・スケール値が出せなかったり、複数回の日は複数のスケール値になったりするため、2日間ごとにスケール値を合計し、それを排便回数で割ってデータとしました。たとえば2日間でスケール値が4と5の便が各1回とすると、(4+5)÷2回でスコアは4.5となります。

なお便の採取は試験開始前日と試験終了日におこなっています。

多くの日本人の腸内細菌叢は、アクチノバクテリア門、バクテロイデス門、ファーミキューテス門と呼ばれる3種類で構成されていますが、あらかじめ調べたところ、参加者も同様でした。

さてその試験結果はーーー。還元水を2週間飲用した10名のうち9名が、アクチノバクテリア門の割 合が有意に増加しました。他方、浄水を飲んだ群では有意な変化は見られませんでした。

より細かく解析したところ、還元水を飲んだ群はアクチノバクテリア門に含まれるビフィズス菌の割合が増加していました。浄水を飲んだ群に有意な変化はありませんでした。

ブリストル・スケールを見ると、還元水を飲んだ群の試験前はタイプ3から6に分散していましたが、試験後は正常のタイプ4に収束していました。浄水を飲んだ群は人によって変化はありましたが、一定の傾向は見られませんでした。

筆者も還元水飲用後に便を調べた!

『腸内細菌学雑誌』(2004年/18巻2号)に、ビフィズス菌を錠剤で摂取させたところ、便の硬さや回 数に改善が見られた、という森下仁丹の実験結果が載っていました。

前出の京都府立医科大学の試験結果は、この実験が裏打ちしていると思われます。つまり、還元水を飲むことでビフィズス菌が増加し、それが便の硬さなどを正常にさせたと考えられるのです。

ビフィズス菌というのは乳酸菌とともに腸内細菌の善玉菌の一種です。離乳前の赤ちゃんは便の 90%以上がビフィズス菌ですが、年齢とともに減ります。60歳以上になると0%になる人もいます。しかし菌の種類は一生を通じてほとんど変わりません。

また腸内細菌は年齢だけでなく、食べ物やストレスでバランスが変わることがあります。わたしは還元 水を飲み始める前に、興味があってある検査機関で自分の便の腸内細菌について調べました。そして還元水を飲み始めてから1年以上たった昨年10月に、もう一度検査をしてみました。

すると、飲用前に0.14%だったビフィズス菌は、4.51%と大幅に増加していました。ちなみにその検査機関での健常者の平均値は1.4%ですから、それと比較してもかなり増えたといえます。

その間、わたしはビフィズス菌のサプリメントや薬を飲んでいませんし、食生活が大きく変わったわけ でもありません。したがって、わたしの場合も腸内細菌の変化の原因に還元水が大きく関与していた可能性があります。

腸内細菌を調べなくても、善玉菌の割合が多いかどうか確認する簡単な方法があります。それは日々の便の様子を観察することです。善玉菌が増えると便はあまり臭くなくなり、色も黄土色、そしてブリストル・スケールのタイプ4になります。観察は健康増進のための第一歩ですよ。

第11回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は歯の酸蝕症を防ぐ効果がある?

酸性飲食物を摂取した口腔内は還元水飲用でどう変化するのか?

わたしたちが普段食べている食べ物や飲み物の影響で歯の酸蝕症が起こることがあります。還元水がこの酸蝕症の予防に効果的だという報告があったので紹介してみましょう。

そもそも酸蝕症とは、胃酸や酸性の飲食物によって歯が溶ける症状を指します。以前は酸性ガスを吸うことで起こる職業病として知られていたのですが、最近は、虫歯、歯周期についで多く、“歯の生活習慣病”として注目されています。

酸蝕症をもたらす飲食物

ところで一般的に飲料として売っているものの大半が、エナメル質界(エナメル質を溶かし始める)のpH5.5を下回っているとされています。つまり酸性です。

たとえばコーラはpH2.2、スポーツドリンクはpH3.3、ヨーグルトドリンクはpH3.9 オレンジジュースはpH3.7です。アルコール類は銘柄によって差がありますが、日本酒が pH4.2~4.7、ワインはpH3.0~3.5、ビール はpH4~5です。

また食べ物では柑橘類やそれに関わる調味料なども酸性のものがたくさんあります。たとえばポン酢はpH3.4~3.8、味噌はpH4.9 ~5.1、醤油はpH4.7~5.1といった具合です(数値は東京医科科大学・非常勤講師の北迫勇一氏による)。

酸蝕症の原因として一番多いのが、このような酸性飲食物の摂り過ぎだと言われています。

2015年に実施された東京医科科大学による疫学調査では、酸蝕症の罹患率は26.1%でした。そこでは欧州7カ国の罹患率が29%だったと いう調査結果も紹介されています。

酸蝕症は人一倍健康に注意していても罹る場合があります。たとえば、健康のためにお酢を朝晩飲んでいて発症した、とか、ビタミンCの補給のためにグレープフルーツを毎日二つ食べていたことが原因で発症した、という例も紹介されています。

具体的にはどんな症状が出るのでしょうか。歯が溶けることで歯が透き通ってきたり、丸みを帯びてきたりします。さらに進行すると、冷たい水が沁みたり、モノを噛んだ時に痛みが出たりします。歯の詰め物やかぶせたものが取れたり、歯の表面に小さな凹みができたりすることもあります。

予防するにはどうしたら良いのでしょう。酸性のものを長い間口の中に入れておかない。食べたすぐ後に歯を磨かない。寝る前の飲食は控える。pH を調整する役割がある唾液を出すようにする、といったことが推奨されています。

東海大学の研究結果を検証

次にアメリカの学術雑誌『Nutrients』(2021年発行)に掲載された東海大学の研究論文を紹介してみます。還元水が飲食による酸性症の発症予防になるという内容です。

酸によってエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すことを「脱灰」と言います。歯の表面のエナメル質も酸性の飲食物の影響を受けますが、唾液の持つ中和力によって徐々にpHが中性に戻ります。そこでこの研究では、エナメル質の表面のpHを持続的に測定できる機械を活用し、各種の飲料を飲んでもらってから、水道水と還元水を飲用してもらい、それぞれがpHに与える影響を調べました。

まず被験者5人の安静時のデータとして、昼食後に歯磨きをし、3時間後に歯のエナメル質の表面のpHを5分間連続測定して平均値を取ったところpH5.2~5.9でした。

この後、50mlのコーラ(pH2.2)を口に含んでから飲み込むと、pHは3.1~3.3に下がりました。 その後、6〜8分かけて徐々にpHは上がり、おおよそpH7になりました。

還元水と水道水の”還元効果比べ

その後、再度50mlのコーラを口に含んでから飲んでもらい、pHが最低になったところで還元水を 50ml飲んだところ、10~20秒後にpHはおおよそ7になり一定しました。還元水の代わりに水道水で同じ実験をすると、pHが戻るのに9~12分かかったのです。

次にスポーツドリンク(pH3.3)を使って同じ実験をおこなったところ、飲んだ時にはpH3.5~3.9に低 下したものの、還元水飲用で15~20秒後にはおおよそpH7に上昇しました。同じく水道水飲用では、 pH7に戻るのに12~15分もかかりました。

通常、酸性の飲料を飲んでエナメル質表面のpHが下がっても、唾液の作用で級やかに中性に戻ります。しかし実験では、中性に戻す時間は、水道水の飲 用では10分以上かかり、還元水の飲用なら20秒足らすぐ済むことが分かりました。

以前の研究で、還元水はだけでなく口腔内のフローラを改善する効果があることが認められていま す。そこで大学の報告では、還元水は酸 丘の防だけでなく、山門アローラが関連する疾患のリスク低減にも関与するのではないか、としています。

それだけでなく、この報告は、酸性の飲食物を取った時は十分量の還元水を用取することを勧めます、という文章で締めくくっています。

スポーツドリンクを人一倍飲用する、とされているスポーツ選手は、酸蝕症になりやすいと言われています。

その証拠にイギリスの学術雑誌「British Journal of Sports Medicine (2013. Vol17) は、2012年のロンドンオリンピックで歯科クリニックを受診した選手302人について調査をおこなったところ、45%の手が酸蝕症だったとされていま

わたしは手にスポーツドリンク、片手に還元水を持って、うまく摂取していくのがいいのではないかと思います。

第10回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水は胃腸症状をどう改善するのか?

2大学が実施した「胃腸に及ぼす還元水の飲用効果」の研究を検証!

電解水生成器は、多くが家庭用医療機器として日常的に使用されています。最も多い活用法は還元水の飲用ではないでしょうか。胃腸症状の改善という、厚生労働省が認めた効果に期待してのことですね。

ではこの効果は、どのように医学的・科学的に立証されているのでしょう。これを考えるための研究が、過去にはいろいろな研究機関・大学等でおこなわれています。その中で、今回は2つの大学の興味深い研究結果を取り上げてみます。

まず最初は1999年に日本機能水学会が主催した「機能水シンポジウム」(2002年から「学術大会」と改称)で発表された、還元水の飲用による症状の改善についての床試験データです。滋賀医科大学が腹部に何らかの症状のある人たちを対象にテストをしました。

さらに、それから20年近くたった2018年には、大阪市立大学が同様の方法で実施した、健康な人に対するテストの臨床データが 「Medical Gas Research」という学術誌の2018年第8号に発表されました。

今回は、この2つの興味深い臨床データを用いて、還元水の能力に迫ってみたいと思います。

胃腸症状のある人への試験結果

滋賀医科大学の研究は、消化不良、胃腸内の異常発酵、不規則な排泄(慢性下、便秘)という腹部の症状を持った患者163名(男性34名、女性129名)を対象に、浄水を飲む群(79名)と還元水 を飲む群(84名)にわけて、二重盲検法(被験者も研究者もどちらの水を誰が飲んでいるのか分から ない方法)でおこなっています。

飲用還元水はpH9.5でカルシウム濃度は30ppmです。被験者には4週間、毎日、起床時に 200mlを、1日で合計500ml以上の飲用をしてもらいました。

そしてその試験期間4週間の前後で、血液検査、尿検査、便の検査を実施し、加えて自覚症状を 聴取しています。

その結果、全体の改善率を見ると、還元水を飲んだ群は改善例が64例(76%)で、変化がなかった群が17例(20%)でした。

一方、浄水を飲んだ群の改善例と変化ナシ例は、それぞれ50例(63%)と27例(34%)でした。

次に症状別にみると、慢性の下痢があった患者は、還元水を飲んだ群では94.1%が改善していますが、浄水では64.7%に留まっていました。また腹部愁訴(胃もたれ、膨満感、胸焼け、ゲップなどの自覚はあるものの検査では異常が出ないもの)に対しては、還元水では85.7%が改善し、浄水では47.1%でした。

なお、いずれの被験者にも重篤な副作用や検査値の異常はなく、還元水飲用の安全性が確認されています。

こうした研究結果がなぜ出てくるのかということについては、多くの機関や研究者によって検討されてきています。たとえば還元水の溶存水素や腸内細菌レベル等の影響はどうか、といった ことなどです。これらについては、この欄で追って取り上げることにしましょう。

健康な人への還元水の影響は?

次に取り上げるのは、2018年に滋賀医科大学と同様の方法により、大阪市立大学で実施され た、 症状のない健常な人の臨床研究です。20 歳から60歳の普段、症状のない健康な60人を対象としています。

また、水質を同じにするため、普段使っている水道水の水源が同じ、もしくは近隣になるように被験者を選定しました。

試験は、30人ずつ無作為に、還元水を飲むグループと浄水を飲むグループに分けて二重盲検法でおこないました。4週間、毎日、起床時に200mlの水を飲んでもらい、それ以外に1日最低 300mlの水を飲んでもらいました。そして試験期間4週間の前後に血液検査、体力測定、アンケー ト調査を実施したのです。

なお、浄水のpHは7.6±0.2で、還元水はpH9.2±0.2でした。水素濃度は、浄水が0mg/ℓで還元水は0.2mg/ℓでした。

さてその結果です。血液検査では還元水を飲んだグループのHDLコレステロールが、有意差はないものの少し高くなっていました。ちなみにHDL コレステロールの数値の検討はこれまで実施されていないようです。

付記すると、HDL(善玉)コレステロールはLDL (悪玉)コレステロールとは逆に、動脈硬化を抑制

する働きがあります。したがって、この数値の判定には意義があると思います。

尿の回数は両群とも飲用前より増えています。便の状態については、還元水を飲んだ群では柔らかめの便が普通便になったり、逆に硬めの便が普通便になったりと改善した人がありました。また、還元水を飲むとぐっすり眠れる、目覚めが良いと答えた人の割合が増えました。

一方、浄水の場合は睡眠への影響は見られませんでした。還元水で便の状態が良くなりぐっすり眠れるというのは、全体的に健康的になると考えて良いのではないでしょうか。

日々の飲用量や体調のチェックを

この研究は、もともとほとんど自覚症状のない人を対象にした4週間という短期間で、かつ水分摂取量も1日500mlと、少なく設定されていました。にも関わらずこのような結果が出ています。

尿の回数に関しても、おそらくほとんどの被験者が普段よりも増えたと考えられます。

最低500mlの飲用というアバウトなものではなく、 具体的にどれくらい飲んだのか、細かいデータと1日の尿量データがあれば、もっと興味深いテストになったと思いました。 毎日の健康管理を兼ねて、飲んだ還元水の量や睡眠、便の状態などを、日々の体調を含め記録してみると、何か新しい発見があるかもしれません。もし そういうデータが集まれば、わたしは医師としてKangen Waterと健康との関連性を検討・分析してみたいと思います。いかがでしょうか?

第9回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

マウスと被験者50人で試した還元水の有効性

肝機能障害と疲労回復に還元水は果たして効くのか?

今回から、いよいよ電解水に関する各種の研究結果を紹介することになります。まずは還元水に関する特徴的な研究を連載し、次いで酸性電解水に移る、といった順番で進めて いく予定です。電解水の安全性も重要な研究 課題ですから、追って取り上げることになります。ともあれ研究テーマは順不同で掲載して いきますので、毎回、バラエティに富んだ、ユニークで興味深い研究結果をお伝えする場となります。どうぞお楽しみに。

マウスを使った実験の結果は?

その手始めは、岡山県岡山市の岡山大学内に 事務局を置く、岡山実験動物研究会という団体が 1997年10月発行の研究会報に掲載した「アルコール長期飲用(6カ月)による肝臓機能ならびに 脂肪代謝への影響に対するアルカリ性水の効用」 というテーマの研究論文です。

ここでいうアルカリ性水とは還元水を指しています。当時、日本では約300万台の整水器が普及していました。還元水の研究成果としては、消化管 内異常発酵の改善といった報告がすでに出されていました。

これに対し、岡山実験動物研究会は、アルコールの飲用による肝臓機能障害や脂肪代謝に与える還元水の影響を検討しています。

マウスを用いた実験の概要は次のとおりです。①水道水だけを飲ませる群、②市販ウイスキーを水道水で濃度10%に希釈して飲ます群、③アルカ リ性水(還元水)を飲ませる群、④市販ウイスキーをアルカリ性水で濃度10%に希釈して飲ませる群、に分けて検討。なお、土曜日から月曜日の夕方 までを“休肝日”に設定しています。

また、②群と④群には夜間のみアルコールを飲ませ、昼間は希釈に用いた水(水道水とアルカリ性水)だけを飲用させました。通常、(人は)アルコールを夜に飲むものだから、ですね。

これを続けて3ヵ月目と6カ月目に、それぞれ臓器の重量、血液中のGPT、GOT、中性脂肪、総コ レステロールなどを測定しました。

その結果は――。マウスは人間のようにアルコールが好きではないようで(?)、夜間にアル コールを飲ませた②群と④群では、明らかに夜間の摂取量が減っていました。

ほかにも面白い結果が得られています。アルカリ性水だけを飲ませた②群は、他の群に比べて餌をよく食べる傾向があったのですが、その割に体重が極端に増えることはありませんでした。

また総コレステロール値を測ると、アルカリ性水で希釈したアルコールを飲んだ④群のマウスの方が、水道水で希釈したアルコールを飲んだ2群のマウスより低い値になりました。

通常、慢性的なアルコール飲用は肝臓に負担がかかり、コレステロール値も高くなる原因になりますが、この実験では、還元水がその影響を抑える可能性が示唆されました。

還元水は「疲労」に効くのか?

次は、千葉大学大学院・人文社会科学研究科が2009年9月に発行した『千葉大学人文社会科学研究』(現在の『人文公共学研究論集』)に載った「日常生活時の体調および心理状況に及ぼすア ルカリイオン水長期摂取の影響」という、たいへん興味深い研究結果です。

これは健常な大学生50人(男女25人ずつ)に4週間、アルカリイオン水(還元水)を毎日1,500ml 飲んでもらい、①体調、②排便・排尿、③睡眠、④身体感覚の4分類(全28項目)のアンケートと、疲 労に関する自覚症状を、摂取前、摂取2週後、摂取4週後に答えてもらって評価したものです。

日本では数々の栄養素について目標摂取量が設定されていますが、水の摂取量については明記されていません(厚生労働省は「あと2杯飲もう」をスローガンに、1日2.5リットルの飲用を成人に勧めていますが)。しかしアメリカやドイツなどでは、国が推奨量を定めています。

この千葉大の研究においても、飲んでもらうアルカリイオン水の量(1,500ml)の設定の根拠については特に言及されていません。また実験がおこなわれた季節についての記載もありません。

そこで結果ですが、アンケートの全項目で判断すると、摂取前と2週後、摂取前と4週後で、スコアは5%レベルの有意な改善が見られています。全28項目のうち、特に12項目が疲労に関係するアンケートでした。結果は、疲れやすい感じが減少し、立ちくらみやけいれんの自覚は5%レベルで改善。イライラ感の減少も見られました。

睡眠に関してはもともと寝つきの悪さなどの自覚 はない人の方が多く、特に変化はありませんが、朝 の目覚めは5%レベルで有意な改善が見られました。また、1%レベルの有意差で身体が軽く感じるようになった、有意さはないが持久力の改善を感じるようになった、という結果も得られました。

2つの実験の限界と問題点

疲労自覚症状調査においても改善が見られました。ただし、この実験は、本人に分からないように還 元水以外の水(プラセボ飲料)を飲ませることで得られるデータと比較していませんし、被験者が揃って一定の生活状況下にないことも推測する上で問題となります。

しかし、アルカリイオン水が身体的、精神的コンディションの改善に有効であると推測されたことは意義があります。その理由として、アルカリイオン水が水道水よりミネラルの含有量が多いからだ、という 考察もされています。ただし、昨今は意識してミネラル分を摂取する人が増えているため、この実験でミネラルの影響について論じるのは難しいと思います。

また、私見では、この実験に参加した大学生が4週間にわたって、意識して多く水を飲むようになったのか、いままで飲んでいた水をアルカリイオン水に変えただけだったのか、という質問があれば、この結果がアルカリイオン水のためか、単に脱水を改善したことで得られたのか、判断ができたのではないかと考えます。

いずれにしろ、紹介した2件の実験は、マウスを使用したり、わずか50人でしかも設定が不十分だったり、という極めて限定されたものです。その結果をすぐ“普遍的に援用”することは許されません。このことを最後に協調しておきます。

参照

「アルコール長期飲用(6カ月)による肝臓機能ならびに脂肪代謝への影響に対するアルカリ性水の効用」

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ja/20658

「日常生活時の体調および心理状況に及ぼすア ルカリイオン水長期摂取の影響」

http://www.gshpa.chiba-u.jp/content/files/annual/annual2009[1].pdf

第8回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

電解水研究の作ったTV番組の功罪

「驚異の水」の触れ込みに対し

国が求めた科学的検証の結果は?!

電解水を巡る歴史の記述を続けます。まずは前号の末尾で「大きな騒動になってしまう」 と書いた、その一件からです。

1992年6月以降、日本テレビの「きょうの 出来事」というニュース番組で、還元水と強 酸性電解水が「驚異の水」として、しばしば報じられました。同局の別の報道番組「NNN ニュースプラス1(ワン)」でも大きく取り上げました。

その内容は、まず病気に関連して、アトピー、肝硬変、糖尿病(壊疽)、水虫・床ずれ、 胃・十二指腸潰瘍、MRSA(黄色ブドウ球菌) 等々について、実際に病院で強電解水を活用し治療した例を報告。さらに、ゴルフ場や農場で農薬代わりに強酸性電解水を使って効果をあげていることも報じました。

衝撃だった「水で病気は治る!」

わたしは当時の番組を見ていません。しかしインターネットで検索すると、番組の当該部分がかなりアップされていたため、視聴することができました。

たとえば糖尿病の合併症の糖尿病壊疽の場合、しっかりと還元水を飲み、強酸性電解水に患部(足先)を浸ける治療を長期間続けると、壊疽が改善して自分の足で歩けるようになる、といった画像を見せています。

あるいは、還元水の飲用によって腸内の毒素が減り、解毒の役目を担っている肝臓の機能が改善するために全身の臓器の機能が改善すると推定される、という説明。さらに、それによって胃・十二指腸潰瘍などいろいろな病気の顕著な改善がみられる、という解説もされています。

こうなってくると、還元水さえ飲んでいれば病院も薬もいらないよねって思う人がたくさん出てきてもおかしくありません。ちなみに、還元水さえ飲めば、悪しき生活習慣を変えなくても病気が良くなる、ということはありません。もちろん、還元水だけではなく、どんなものでも一緒です。

ともあれ、番組では患者さんの改善したとされる画像が披露されていますから、それなりに説得力があります。したがって、同番組で、キャスター自ら「大きな反響がありました」と強調していたとおり、世間の注目を集めることになったのです。

しかし、還元水の医療効果としては、1965年10月8日に厚生省(当時)が各都道府県知事あてに 通知した「慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸」だけに認められていました(酸性電解水はアストリンゼント効果があると認定)。

厚生省が求めた「科学的検証」

このような背景のもと、92年9月にアルカリイオン整水器協議会が設立され、啓蒙活動、業界倫理の確立、調査研究が始まりました。次いで、国民生活センターが実施した商品テストをきっかけに、マスコミが還元水の効果効能を疑う報道をおこない、これが国会(参議院厚生委員会)でも取り上げられる事態となりました。

そして厚生省からアルカリイオン整水器協議会に対し、科学的検証を実施するよう要請があり、1993年2月、同協議会は京都大学医学部の糸川嘉則教授に、アルカリイオン水(還元水)に関する検証を委託しました。こうして糸川教授を委員長とする検討委員会が立ち上がり、検証が始まったのです。

検証内容は、1.アルカリイオン水の飲用における安全性試験、2.客観的試験方法による有効性試験、3.国民生活センターが提示した疑義に対する回答、4.アルカリイオン水に関する科学的研究の推進でした。

翌年に出された検討結果(中間報告)は、1日0.5~1リットルのアルカリイオン水(pH9~10)の 継続飲用は胃腸症状の改善効果があり、長期飲用(試験では1年間)しても臨床上安全性の問題はないとされました。

さらに、その効果は、胃酸過多、腸内異常発酵、 便通異常(慢性下痢、便秘)の胃腸症状改善のように改めるのが望ましいとしました。

「二重盲検比較試験」とは?

報告書をもう少し詳しく見ていきましょう。昔から“便通異常には水を飲むと良い”といわれてきた ことが、実際に臨床的に実証されたという記載があります。

これを見ると、その当時は(いまとは違って)多くの人が慢性脱水になっているという認識はなく、 また消化器の専門医においても便秘の原因に脱水があることがわかっていなかった、ということに気づかされます。そのため、0.5~1リットルの還元水の飲用をテストしたのではないかと想像されます。

一方、ラットの実験では腸内異常発酵の抑制機構の一端が証明されています。ラットは自分が欲しいだけ水を飲んでいるでしょうから、人間のように脱水状態にはなっていないと想像されます。

ところで市販もされている解熱鎮痛剤ですが、これは胃粘膜障害を起こす原因の一つです。そこで普通は、胃粘膜を保護する胃薬と一緒に処方されます。ラットの実験では、還元水に胃粘膜保護作用があることが実証されました。

この時点でそのメカニズムは解明されませんでした。ただし、「おそらく水素が関与しているので は」という推察がなされていました。

こうした研究成果は、93年に設立された一般財団法人・機能水研究振興財団の機能水シンポジ ウムや日本医学会総会で発表されています。そして最終結果は99年に発表され、「アルカリイオン水(還元水)は有用」との結論を導き出しました。

ちなみにこの検討で用いられたのが「二重盲検比較試験」という手法でした。薬(還元水)か偽薬(浄水)のどちらかを飲んでもらい、効き目を比較します。飲んでいる側は医師も被試験者もどちらを飲んでいるのか分かりません。これは「暗示効果」を避けて、最も正しい試験結果を得るための手法です。この方法によって還元水の安全性や有用性が確かめられたのです。

こうした検討結果などを受けて、科学的根拠に基づく機能水研究をいっそう推進するため、2002年に、学者、研究者を中心に日本機能水学会が設立されました。 次回以降、こうした学会などによる研究成果を、 なるべく分かりやすく解説していくことにします。

参照

文中の、1992年6月、日本テレビ「きょうの出来事」の「驚異の水」文中の15シリーズを一挙にご覧頂けます。

第7回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

水の電気分解の原理と電解水生成器の歴史

化学用語も出てきて少々面倒だが

やはり原理はおさえておきたい。

そもそも水の電気分解(electrolysis)とはいったい何のことでしょう。それはこのように定義されています。外部から電気エネルギーを使って水に電圧をかけることにより、陽極(プラス)側で酸化反応、陰極(マイナス) 側で還元反応を引き起こす、水を化学的に分解する操作。今回はこの原理をもう少し詳しく説明してみましよう。

皆さん、ご存知のとおり、水の化学式は H2Oです。実は水はこのH2Oだけでなく、他の物質も含んでいます。それがミネラルです。ミネラルは現在わかっているだけで114種類もあります。

そしてわたしたちの身体にとって欠かせないミネラルは、カリウム、カルシウム、鉄、亜 鉛、ナトリウム、マグネシウム、リン、セレン、銅、クロム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、コバルト、硫黄、塩素の16種類です。

このほか水によく含まれているミネラルには、カルシウムとマグネシウムがあります。この両方がたくさん含まれていると硬水で、少ないと軟水とされています。

そもそもH2Oというのは中性(pH7)です。 何もしていない時には、水の分子はごく一部 が水素イオンと水酸化イオンとして存在しています。この水素イオン濃度が高いと酸性で pH値は7未満となり、水酸化イオン濃度が高いとアルカリ性でpH値は7より大きくなります。

電気分解では水に電極をつけてスイッチを入れて電圧をかけます。そうすると陽極(プラ ス側)にはマイナスイオンが引き付けられ、水分子が電子を失い酸化されます。同時に陰極ではプラスイオンが引き付けられ、水分子が電子を受け取って還元されます。

このように陽極側では酸素と水素イオン(H2)ができて酸性となり、陰極側では水素と水酸化物イオン(OH-)ができてアルカリ性になります。

言い方を変えると、酸化は電子を失うことで、還元は電子を受け取ること。その結果、前 者では酸素ガスと水素イオンが発生し、後者では水素ガスと水酸化物イオンが発生します。ちなみに還元水の細かい泡は水素ガスです。

では水に含まれているミネラルはどのようになるのでしょうか。ミネラルは水の中ではプ ラスイオンとして存在しているため、陰極側に引き寄せられます。

還元水を作るときには、電気分解でできた水を分けるために隔膜が必要です。隔膜がないとせっかく電気分解をしても元の水の分子に戻ってしまって、アルカリ度が低くなります。ちなみに水素生成が目的の場合は、隔膜がないものが使われています。

■「シンノオル」から始まった歴史

水を電気分解することによって酸性電解水と還元水を得られる――ではこの方法はどのように開拓され、どんな経緯をたどって現在に至っているのでしょうか、ここで電解水生成器の歴史を振り返ってみましょう。なお以下の記述は、エナジックインターナショナルも会員の「アルカリイオン整水器協議会」のホームページに多くをおっています。

1931(昭和6)年ごろに、シンノオル電機という会社の諏訪方李氏が、水と電気の関係に着目し、 研究を開始しました。その後も研究を重ね、電解水の植物の影響について研究を始めました。そして1952(昭和27)年、最初の電気分解装置を開発しました。2年後には農業面(稲作)で活用できる器械を作り、さらに医療面での活用を念頭に調査・研究が重ねられました。

註:シンノオルは漢字で神農王留と書きます。これは神農王が宿っているような機械ということで名付けられました。神農王とは古代中国で医と農を司る神さまと言われています。

そして1958(昭和33)年、多くの医師や一般の利用者による臨床実験・使用体験を基に、「シンノオル液製造機」という名の還元水生成器が開発されました。ここから現在の隆盛の大本を作った動きが始まります。

1962(昭和37)年、長野県と京都府の業者からそれぞれ厚生省(当時。現・厚生労働省)に電解装置が持ち込まれ、医療機器としての製造認可の申請が出されました。しかし各地の水道水の質が違うため、同じ性状の電解水を生成できない、という限界に突き当たりました。

その解決策として、乳酸カルシウムを添加し安定的に生成するという方法が取られ、1966(昭和 41)年に、ようやく製造承認されて、医療用物質生成器として薬事法(当時)の適用を受けることができたのです。

■厚生省が電解水の薬効を承認

話は前後しますが、厚生省は1965(昭和40)年10月8日に、次のような内容の厚生省薬務局長

薬発第763号各都道府県長宛]を発出し、電解水の薬効を公式に認めています。

すなわち、還元水(アルカリイオン水)は、消化不良、胃酸過多、腸内異常発酵に有効。酸性水は収斂作用、アストリンゼント効果がある。これ以降、医療用電解水生成器として製造承認を受けた器械が、次々に市場に登場してくるようになります。

また、装置としての改善も進みました。1979(昭和54)年には、水道の蛇口に直結できる連続式電解水生成器が承認されました。水道とつなげて直接、電解水を生成できる、というのはたいへん便利な仕組みで、一般家庭での普及も進みました。ちなみにエナジックインターナショナルのレベラックシリーズも、もちろん連続式です。

このように進化発展し、社会一般の認知度も深まってきた電解水生成器ですが、1992(平成4) 年6月、あるテレビ局のニュース番組が還元水を 「驚異の水」と取り上げたことが発端になって、大きな騒動になってしまうのです。

(以下、次号へ続く)