第23回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

温泉で肌スベスベは“還元効果”なのか⁉

特製装置で生成した還元水を使って

皮膚、髪の毛などで実験してみた!

あなたは毎日、湯船に浸かっていますか?

めんどうくさい、お湯を張ってもすぐに流すんだからもったいない、などといった理由からシャワーだけで済ませていませんか?

日本にはお湯に浸かるという文化があるのにシャワーだけで済ます方がもったいないですね。

大阪市水道局のホームページには“ええことづくめ!お風呂の健康効果とおすすめの入浴法”という記事があり、その中に以下のような一文が載っています。

[14,000人を対象に3年間追跡調査を行ったところ、「入浴回数が週7回」の人たちは 「入浴回数が週0~2回」 の人たちに比べて、要介護になる割合が3割低いという結果が出ています]

加えて、家庭でお風呂に入るだけで、温熱作用、足のむくみ解消や疲労回復に効果のある静水圧作用、リラックスさせる浮力作用、運動療法的効果を得られる粘性・抵抗性作用などがあると記述しています。

詳しい内容は大阪市水道局のホームページ:https://www.city.osaka.lg.jp/suido/page/0 000488972.htmlを参照してください。

さまざまな温泉水の効果

旅行などで行った温泉に浸かると、肌がすべすべしたり、体がいつもより温まってなかなか冷めなかったりした、といった経験をお持ちではないでしょうか?

そもそも温泉は、含まれる成分によって、単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉、含鉄泉、酸性泉、含ヨウ素泉、硫黄泉、放射能泉の10種類に分類されています。

そして必ず、その温泉で効果が得られるとする適応症が書いてあります。

ちなみにわたしがよく行っていた温泉には関節リュウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十 肩、打撲、捻挫などの症状や、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽い高コレストロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)のほか、病後回復、疲労回復、健康増進といった適応症が書いてありました。凄い数で、驚かされますね。

わたしは登山の帰りになるべく源泉掛け流しの温泉に入っていましたが、疲れが取れて翌日の筋肉 痛も起こりにくくなるのをいつも感じていました。これを裏付けるような温泉についての興味深い実験 報告があったので紹介してみます。

生成した還元水を実験に使用

報告のタイトルは「電解還元系の人口温泉水の皮膚および髪に与える効果」で、2005年9月に発行された、日本温泉科学会の『温泉科学』に掲載されました。著者は大河内正一他7名です。

温泉は天然の状態では還元性があります。pHは酸性からアルカリ性までさまざまです。しかし湧き出て空気に触れるとどんどん酸化されますから、源泉掛け流しつまり新しいお湯が常に継ぎ足されている状態が、最も還元性が保持されています。人間と同じで、このどんどん酸化されていく状態を温泉の老化と言います。

現在、国内の7割以上の温泉では源泉の湧出量の減少などのため、浴槽の温泉を濾過して再利用しています。そのさいには殺菌されています。

こうなるとせっかく温泉に入っているのに家のお風呂や銭湯に入っているのと変わらないお湯になってしまっているのです。

証明された酸化抑制効果

大河内らは実験のため、水道水から温泉源泉の特徴である還元作用を有する水を作る還元製造装置を開発しました。

これは、水を電気分解して陰極側で生成されるアルカリ性の還元水と、陽極側で生成される酸性水から活性炭で酸化系活性物質を取り除いた水を混合させた、ほぼ中性の抗酸化能を有する生態水類似の電解還元系の水を作る装置です。

そして、この装置に40度に加温した水道水約200リットル(さら湯)を10分間通水して還元水を製造しました。

実験では、被験者の前腕部を①還元系の温泉水(源泉かけ流し)、②実験装置で作った還元水、③さら湯にそれぞれ5分間浸してORP(酸化還元電位) の変化を見ました。すると、①の温泉水と②の還元水では皮膚のORPは下がりますが、さら湯では逆に上がりました。

そもそも皮膚は加齢によって酸化された過酸化脂質が増加することが報告されています(これが加齢臭の原因になっているのです)。次にこの過酸化脂質の酸化抑制効果があるかどうかを、魚で実験しました。

水道水と実験のために作った装置で生成した還元水に浸した吸水シートでそれぞれ真鯵をラップして冷蔵庫に保存し、TBA試験法で酸化脂質の増加に伴う色素量の変化を観察しました (TBAはチオバルビツール酸のことで、油脂の過酸化生成物と反応して赤色になります。これを用いたのがTBA試験法です)。

魚でも確認された酸化の抑制

水道水で浸した吸水シートをラップした真鯵は色素の増加が見られて酸化脂質が増加していましたが、実験装置で作った還元水を使ったものは脂質の酸化が抑制されていました。

さらに2カ月間にわたって実験装置で作った還元水を使い被験者に入浴してもらった実験結果では、皮膚の弾力性が向上する傾向が見られました。

あるいは、髪の色素を抜くブリーチ処理したダメージヘアをこの還元水に浸した後に乾かし、その後、また浸すという繰り返し実験を複数回おこなったところ、髪の滑らかさとつやの向上が観察できました。

以上により、温泉水とは全く同じではないものの温泉水と同じように還元系を有する水は、浴用で皮膚の酸化および老化抑制に効果があることが確認されました。

もし家庭でこの装置が使えるのなら、毎日温泉に入った時のような心地よさが味わえるでしょうし、入浴による健康効果がさらに上がるかもしれません。

第22回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

運動時の水分補給に還元水は適正か⁉

バスケットボール選手で実験!

還元水の飲用で有意な結果が

このシリーズの初回の記事の最後に、わたしは “良い湧水はアルカリ性だったのです”と書きました。 系統だった研究がなされているわけではないので全部を把握することは困難ですが、日本でも世界でもアルカリ性の天然水は存在しています。

地球がここまで汚染されていないころは、おそらくあちこちでアルカリ性の良い水が飲めたはずです。しかし現代ではどうでしょうか。

一方、電気分解をして作るアルカリイオン水 (還元水) の弱点は、原水の質の良し悪しによって出来上がりが変わるということです。ならば普通の水道水を電気分解したアルカリイオン水ではなく、天然のアルカリイオン水を飲用したらどういう結果が得られるでしょうか。今回ご紹介するのは、天然のアルカリイオン水の飲用で社会人バスケットボール選手のパフォーマンスを評価したポーランドの大学の論文です。

バスケットは典型的無酸素運動

バスケットボール選手における高アルカリ性水摂取後の無酸素運動パフォーマンスと、体内で酸性とアルカリ性のバランスを保つ仕組みの酸塩基平衡がどう変化するか、に関する研究が、ポーランド南部のカトヴィツェ市にあるイエジ・ククチカ体育大学のスポーツトレーナー学科でおこなわれ、 International Journal of Food and Nutritional Science』(国際食品栄養科学ジャーナル)の2018年1月号に研究結果が掲載されました。

無酸素運動とはいわゆる瞬発的な運動のことです。バスケットボールは、たとえばボールを保持している選手は5秒以内にプレーをしなければならない、という具合に、ボール保持時間が秒単位で細かく決められています。まして試合中はコートの中を目まぐるしく走ったり止まったりするわけですから、 無酸素運動の連続のスポーツとなります。逆に、有酸素運動の代表はウォーキングやジョギング、長距離のランニングなどです。

心拍数と血中乳酸濃度が上昇

プロバスケットボールの試合では、選手は最大心拍数の90%まで上昇する激しい運動をおこないます。ちなみに最大心拍数は220-年齢で計算できます。

このような激しい運動を続けると試合が終わるころには疲労物質である血中の乳酸濃度が6-10mmol/lと非常に高くなります。 mmol/1とは、1リットルの体積の中に何ミリモルの物質量が含まれているかを示す単位で、正常乳酸濃度は0.44-1.78mmol/1とされています。

試合中やトレーニング中には適切な水分補給が重要になります。 このシリーズの第18 回では運動後の血液粘度の回復に還元水が有用である論文を紹介しました。 今回取り上げたポーランドの大学の研究は、先述のとおり、アルカリイオン水の飲用が無酸素運動のパフォーマンスと酸塩基平衡に及ぼす影響を評価しています。

研究には25.7±3.4歳の男性プロバスケット ボール選手14名が参加しました。平均身長は190.6±4.8cmで、平均体重が88.5±5.7kg。トレーニング経験は9.8±2.3年でした。

選手は週5回2時間の練習があり、週末に は公式戦がおこなわれました。実験前6週間から実験中にわたって食事は炭水化物55%、タンパク質20%、脂肪 25%で、 カロリーの高い食事 (3255±676kcal/日)を摂取しました。実験前から薬物の使用はなく、毎日8時間の睡眠をとり、実験中はアルコールやサプリメントの摂取も控えました。

11日2.5~3ℓの還元水を飲用検査としては、朝の尿検査と午後のシャトルラン (28mを6回) 後で嫌気性持久テストをおこないました。選手たちには、朝、起床後、トレーニング前後、就寝前に1日当たり2.5~3ℓのアルカリイオン水を6週間飲んでもらいました。対照群の選手たちは同じ条件でミネラルウォーターを飲みました。

実験に用いたアルカリイオン水は天然のものであり、pH9.13です。中等度のミネラルを含み、水の特性は重炭酸 (HCO3-) 炭酸(H2CO3)―ナトリウム(Na+)でした。

安静時にアルカリイオン水を飲むと血液のpHなどが著しく上昇しました。血液の成分がアルカリ性に傾いたということです。しかし酸素濃度は変化しませんでした。

28mを6回走るシャトルランの無酸素運動後にはアルカリイオン水を飲んだ群はpHに有意な上昇がありましたが、 ミネラルウォーターを飲んだ群ではそのような変化はありませんでした。

アルカリイオン水を6週間飲んだ群の尿のpHは、安静時、および身体活動直後もミネラルウォーターを飲んだ群に比べて有意に高くなりました。また、尿比重はアルカリイオン水を飲んだ群は有意に低くなりました (脱水状態になると尿比重は高くなります)

「無酸素運動に還元水は有効」を証明

シャトルランの結果をみると、アルカリイオン水を飲んだ群は飲む前に比べて有意に改善し、平均 0.71秒早くなりました。運動能力が向上したとみられます。

激しい無酸素運動をおこなう競技者に対するこのような研究はほとんどありません。

しかし、FIBA(国際バスケットボール連盟) ヨーロッパのU20(20歳以下)の選手の75%が脱水状態で大会をスタートしていることが報告されています。

また、成人のNBA (アメリカプロバスケットボール協会)のプレーヤーを対象とした研究では52%が脱水の状態で試合を開始しています。

バスケットボールの公式試合では20分間に2ℓの水分を喪失すると言われています。にもかかわらず水分補給が十分にされていないことも報告されています。

今回紹介したこの研究で、高いpHの水を摂取することは競技アスリートの酸塩基平衡と水分補給に好影響を与えることが確認されました。

秋ともなれば、ちょうど気持ちよく運動ができる季節です。 バスケットボールのような激しい運動はしないとしても、十分な量の還元水を持ち歩くことが大事ではないでしょうか。

第21回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

強還元水の抗菌能力を実験してみたら・・・・・!

新型コロナ・ウイルス等の殺菌に

強還元水は果たして有効か?

わたしたちはウイルスや細菌のようなたくさんの微生物と共生しています。微生物がいないと健康を保てないこともわかってきています。しかしながら有害な細菌やウイルスだけを除去する、という好都合なものは存在しません。 一方、菌を著しく減少させる能力を持ちながら、環境に優しく、人体に悪影響が限りなく少ないものとして強酸性電解水があげられます。

さらに強酸性電解水を作る時に陰極側で生成される強アルカリ性(pH10.5~11.5)の電解水(強還元水)は有機物の汚れの除去に適しています。強酸性電解水で何かの除菌をする場合、そこに有機物が多く付着している時には、まず強還元水で処理してから強酸性電解水を使うのが有効な方法です。強酸性電解水の殺菌力を低下させないためです。

感染症の6割がウイルス由来

2021年10月に、生物学研究の諸分野のタイムリーで重要な研究結果を紹介している学術誌『Biochemical and Biophysical Research Communications』に、強還元水によって新型コロナウイルスや大腸菌に代表されるグラム陰性菌などを効率的に不活性化した、という論文が発表されました。

これは大阪医科薬科大学微生物教室の鈴木らが他の施設と共同して実施した研究です。

感染症の原因の60%がウイルスによります。感染症の中で最も多い疾患は気管支炎や肺炎のような呼吸器系と、腹痛や嘔吐、下痢などを起こす消化器系です。 ところで毎年冬になるとインフルエンザが流行していました(例外は沖縄県で夏にも流行していました)。これは呼吸器系にも消化器系にも症状が出るウイルスです。自然界や動物の腸内に存在するレジオネラ菌やサルモネラ菌が人に感染することもあります。

2020年から新型コロナウイルスが世界的に流行したことで、感染症の予防、消毒について今まで以上に注目されるようになりました。鈴木らの研究では、室内の空気や物質の表面の消毒に使うものとして強還元水が環境に優しい消毒剤にならないかを検討しています。

多種類の細菌・ウイルスで実験

酸性電解水の抗菌効果についての研究は数多くあり、次亜塩素酸が作用していることが知られています。次亜塩素酸の塩素濃度は低くても塩素臭が気になることがあります。

鈴木らの実験で使用された強還元水は、水道水を逆浸透膜で不純物を取り除いた後に電解質として食品用炭酸カリウムを使って電気分解し作成されました。

この時に原水の流量を少なくすることで規定値より高いpH12.5(±0.3)の生成を実現しました。その酸化還元電位(ORP)は-700から-900mVで、溶存水素は423ppbときわめて強いアルカリ性となっています。平均pHは密閉時が180日、放出時は48日以上、一定に保たれました。

実験は、新型コロナウイルスに感染した患者から入手した臨床分離株を用いておこないました。10倍量の強還元水で2分間処理したものを細胞に接種し、48時間培養しました。そして、培養液から細胞や不純物を取り除いた上澄みの部分(培養上清液)からRNA (リボ核酸)を抽出してウイルスがどのくらい複製されるかを測定しました。

すると、強還元水で処理した細胞が約100個の複製に対し、滅菌水で処理した細胞は約1千万個の複製が確認されました。

次に新型コロナウイルスを強還元水と一緒に30秒から5分培養しました。すると30秒後には滅菌水で培養をおこなった培地ではプラークが形成されましたが、強還元水で培養をおこなった培地ではプラークは観察されませんでした。

プラークとはウイルスに感染して細胞が壊れてはがれることによりできた穴のことで、ウイルスの数が推定できます。プラークが観察されなかった強還元水は、滅菌水より効果アリといえるわけです。

還元水の有効性と安全性を証明

細胞への新型コロナウイルスの侵入及び結合についての実験もおこないましたが、どちらも強還元水で処置をすると、侵入の度合いは有意に低くなっていました。

同様に、A型インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、ヒトコロナウイルス、ネコカリシウイルス、イヌパルボウイルスに対してウイルスの不活化が見られるか、という実験をしましたが、いずれも強還元水で有意に不活化することが認められました。さらに、グラム陰性菌である、大腸菌、サルモネラ菌、レジオネラ菌を強還元水で30秒から15分処理した後、35°Cで2日間培養しましたが、大腸菌とサルモネラ菌は30秒処理の検体で検出感度以下、レジオネラ菌は300秒処理の検体で検出感度以下になりました。

強還元水の急性毒性の有無についてはマウスで吸入実験をしていますが、異常は認められませんでした。

また、成人22名のボランティアに強還元水を使って24時間皮膚パッチテストをおこない、3日間 観察しました。対照には生理食塩水とワセリンを使用していますが、強還元水の皮膚刺激指数はゼ ロでした。

酸性電解水と違い、強還元水は無臭、非腐食性、無刺激です。さらに無色透明で、希釈すると水 や塩水に戻ります。また強還元水は長期間、化学的に安定しています。

この実験では強還元水はいろいろなウイルスやグラム陰性菌の殺菌剤として有効で安全なことが実証されました。

鈴木らは、今後、特に閉鎖空間での強還元水の散布が空気や環境の除染に適しているかどうかを検証していく、として論文を締めくくっています。

ここで皆さん、家にあるレベラックでpH12.5の強還元水を作ることができるかどうか興味がわくところだと思います。ちなみにレベラックスーパー501であれば浄水をせずに電気分解をするので、 pH11.3~12の強還元水が作れます。

原水の量を少なくすればpH12.5に近づけることができそうです。試してみてください。

第20回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

食中毒の危険因子を除去する酸性電解水!

酸性電解水に含まれる次亜塩素酸が

有効に働くメカニズムを解説!

日本の夏は、もはや熱帯かと思わせるほど猛烈な暑さが常態と化しました。そんな季節に生活していくうえで、最も神経を使うのが食中毒対策ですね。その対策に有効なのが酸性電解水です。今回は食中毒対策に重点を置いて、酸性電解水の性質や有効性を説明してみます。安心安全な食生活をおくるため、少しでもお役に立てるとうれしい限りです。

(社)日本食品衛生協会が発行している『食と健康』という冊子の2002年4月号に、「新しい殺菌料・酸性電解水」という特集が掲載されました。

執筆は厚生労働省医薬局・食品保健部基準課です。この年の6月10日に、酸性電解水が食 品の殺菌を目的に使用できる食品添加物として認められました。そのことを見通して執筆された記事と思われます。以下は、その記事プラス3点の論文を参考に記述しました(出典などは文末で紹介)。

食中毒の「予防三原則」とは?

食中毒の予防対策として大切なのは、①食品への汚染を極力防ぐ、②細菌に増殖の機会を与えない、③細菌を殺す、という方法で、これをまとめて厚労省は「予防三原則」と言っています。

 強酸性電解水(pH2.7以下)、弱酸性電解水(pH2.7~5.0)、微酸性電解水(pH5.0~6.5)を合わせた酸性電解水は、三原則の③に有効な食品添加物です。厚生労働省は「次亜塩素酸水」と呼んでいますが、もちろん酸性電解水と同じものです。

なお酸性電解水は生成直後に使用しないと有効性が失われるため、ペットボトルに入れて販売するなどは不可、という意味のことが官報に明記してあります。

次亜塩素酸水と似た言葉に次亜塩素酸ナトリウムがありますが、これは漂白剤によく使われ、殺菌にも使用されてきました。次亜塩素酸水(酸性電解水)も次亜塩素酸ナトリウムも、殺菌に有効なのはこれらに含まれている次亜塩素酸ということになります。

違いは、酸性電解水には次亜塩素酸が分子型で溶けているのに対し、次亜塩素酸ナトリウムでは主にイオンの形で溶けている点です。殺菌力は分子型が強く、有効塩素濃度は10から60ppmで、次亜塩素酸ナトリウムで は100から200ppmの濃度が必要です。

どんなウイルスや細菌を殺すのか

ではこれらはどれくらい殺菌力があるのでしょうか。有効塩素濃度40ppmの強酸性電解水と有効塩素濃度1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムでは同等の殺菌力があり、以下のような結果が得られています。

黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、大腸菌(O-157)、緑膿菌、サルモネラ、腸炎ビブリオなどでは5秒以内に、結核菌は2.5分弱、ヘルペスウイルスとインフルエンザウイルスは5秒以内に殺菌されます。

ちなみに皆さんの関心が深い新型コロナウイルスに関しては、2020年6月にエナジックスポーツ高等学院長で北海道大学名誉教授の玉城英彦先生らが有効塩素濃度40ppmの強酸性次亜塩素酸水(pH2.7)と微酸性次亜塩素酸水(pH5.5)で実験をして、いずれも30秒以内にウイルスが不活化したという報告をしています。

 次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性で毒性がありますが、酸性電解水に毒性はなく手荒れもありません。ただし、強酸性電解水は次亜塩素酸濃度が高いので、大量に使う場合は換気が必要になります。また泥や有機物で汚れていると酸性電解水の有効塩素はすぐに消失します。貯めておいてもすぐ消失するため流しながら使うと効果的です。

強酸性電解水を使用して殺菌する場合は、電気分解したアルカリ側の水、つまり強還元水で洗ってから強酸性電解水を使うのが効果的です。

ヒトは体内で次亜塩素酸を生成?

そもそも酸性電解水が殺菌作用を起こすメカニズムは、実は体内のメカニズムと一緒ということがわかってきました。

白血球の中の好中球は細菌やウイルスなどが体に入ってくるとそれを取り込みます。すると次に、 活性酸素の一種で酸化力が高いスーパーオキシドが生産されて攻撃を仕掛けますが、非常に短寿 命です。しかし多くのスーパーオキシドは過酸化水素になり、塩素イオンと反応して次亜塩素酸になってさらに攻撃をします。

つまりこれは、細菌を攻撃するために身体の中で次亜塩素酸が作られていることになります。わた したちの体が健康な状態であれば、少々の細菌やウイルスが入ってきても、この好中球がやってきて やっつけてくれるわけです。わたしたちが病原菌に感染すると白血球は正常の倍以上に増えて攻撃 をするのですが、体が弱っていると白血球が十分に増えません。

最初に示した、食中毒予防の三原則の②「細菌に増殖の機会を与えない」というのは、一般的に は食品の温度管理やpHの調整などで細菌の増殖を抑制することを指します。同時に、わたしたち の体のバリア機能をしっかり保つことも、増殖抑制の方法と言えるのではないでしょうか。白血球がしっかりと働く身体作りが大事です。

わたしたちは体の細胞数以上のさまざまな常在菌と共に生きています。それによって健康を維持しています。常在菌まで殺してしまうと逆に健康を損ねることになります。

2021年6月から食品を提供する側にHACCPが義務付けられました。これは汚染や異物の混入 などの危害要因を重点的に監視し、最終製品が安全であることを確認する衛生管理システムで、 最初のHはハザード(危険や障害)を意味し、具体 的には食品に含まれ食中毒を起こす菌やウイル ス、寄生虫を指します。

こうした危険因子を除去するために酸性電解水が活用できる、ということがわかっていただけたと思います。

【参考文献】

 『食と健康』2002年4月号pp12-17

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8l.pdf

 『日本集中治療医学会雑誌』2000年第7巻2号 pp97-105

https://www.jsicm.org/publication/journal.html

 「機能水研究』2010年Vol.5(1) pp1-8

http://www.fwf.or.jp/pdf/kenkyu/dai5-1/hotta_summary.pdf

 「上原記念生命科学財団研究報告集』2018年Vol.32

https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.32/index.html

第19回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

お米を炊く水の比較実験をしてみた!

男女100人が運動後に試みた

還元水と精製水の飲用比較

わたしたちが毎日食べるご飯ですが、日本の米作付面積のうち最大(約三分の一!)も古める品種のコシヒカリを始め、何と800種類以上もの銘柄があります。したがって炊飯時には、銘柄により水に浸す時間や水の量も少しずつ変わるでしょう。それだけでなく、使う水によっても変化するし、味も変わるはずです。

そもそも炊飯前のお米の水分は15%で、洗ってしばらく浸しておくと、約10~15%の水を吸取します。さらに炊き上がったご飯になると水分は60%に増えます。

お米を洗う時は適当に水道水で炊く時にはお気に入りの水を使っている人もいるかもしれません。でもわたしは、洗う時からどういう水を使うのか、考えた方が良いと思っています。

 では実際に、いろいろな種類の水でご飯を炊くとどうなるのでしょうか。まずは電解水でご飯を炊いた時の変化に関する研究結果をみてみましょう。

各種の水の炊飯米を食べ比べ

最初は一般社団法人・日本家政学会が発行している『日本家政学会誌』(1994/ Vol.45 No4 343~348)に報告された共立女子大学家政学部の佐藤らの研究結果です。ここでは、電解水(pH3~11)が炊飯米の性状にほとんど影響を与えないと報告しています。

具体的には、炊飯米の色、硬さ、付着性で ほとんど差はありませんでした。実際に20歳の女性45人に酸性電解水、原水、アルカリ性電解水(還元水)で洗って炊いたご飯を食べてもらい、形状、色、味、硬さを原水で炊いたものと比べて良いか悪いかを評価してもらいました。その結果、電解水(酸性、アルカリ性) での評価は低い傾向になりました。

その原因としては、電解水で洗米しても、当初は酸性あるいはアルカリ性になるもののーーー米粒が水のpHを緩衝する作用があるためーーー 5分以内に中性になって水の性質の差が反映されないからではないかと考えられました。また米の水分含有量も炊飯時に差がありませんでした。

電解水の炊飯で米粒に変化は?

この結果を受けて、公益社団法人・日本食品科学工学会が発行する『日本食品科学工学会誌』(1996/第43巻 第8号930~938) に、小林らが研究結果を報告しました。

小林らは酒造用原料米の品質調査に用いられる方法などを用いて、より小さな変化を計測することで電解水の炊飯特性を検討しています。

白米を浸漬した時の体積変化は、アルカリ性電解水>原水>酸性電解水の順に減少しました。

水酸化ナトリウムと塩酸で同じ実験をしても同様の結果となり、pHの高い水が白米の膨潤を促進させることが示唆されました。

次に炊飯後の米の体積の変化で吸水量を測定したところ、アルカリ性電解水、原水、酸性電解水の順で高くなりました。

炊飯米の面積を画像解析で計測すると、アルカリ性電解水、酸性電解水、原水の間に大きくなり、アルカリ性のものは原水より4.5%面積が大きい結果が得られました。

ご飯の硬度は洗米時の水のpHが高いほど硬く、粘り気はpHが高いほど低くなりました。新米は古来よりも吸水量が大きく、これが ご飯の品質に関連していることが分かっています。

美味しさや食感に関わるのはでんぷんです。一般にでんぷんはアルカリ性で膨潤糊化することが知られています。

アルカリ性電解水に多く含まれている水酸化イオンとナトリウムイオンや、酸性電解水に多く含まれている塩素イオンもでんぶんの糊化を促進します。個人差はありますが、でんぷんによってより美味しさを感じるかもしれません。

非電解水のアルカリ性水で炊くと

引き続き、電解水以外のアルカリ性の水で洗米をした研究があったので紹介します。

2020年に一般社団法人・日本調理科学会発行の『日本調理科学会誌』(2020/Vol.53.No5 344~351)に、女子栄養大学の柴田らが、ホタテ貝殻焼成カルシウムを用いた洗米が貯蔵米の食味に及ぼす影響について報告しています。

ホタテ貝殻焼成カルシウムは水に溶かすと pH12の強いアルカリ性の溶液になり、天然の殺菌、抗菌作用を有する素材として野菜の洗浄などに使われています。

この研究では、①古米を普通の水で5回洗米したものと、②ホタテ貝殻焼成カルシウムを溶かした水で2回、さらに普通の水で3回洗米したものの2種類を比較しています。

洗米前と洗米後の米を走査電子顕微鏡で観察したところ、①の場合、洗米前は糠で覆われていた 表面が洗米で除去され、細胞壁やでんぷん粒が確認されました。②では若干、①よりもきれいになっている程度の変化でしたが、脂肪酸度の測定では有意に低下していました。これにより古米臭に変化が生じました。

というのも、味覚及び嗅覚試験に合格した11名が評価したところ、最大45%の臭いの減少を認め たのです。この臭いの成分はヘキサナールなどのアルデヒドなどと考えられています。

これは肪酸のリノール酸が酸化して生成されるものですから、洗米で肪酸が減って臭いが軽減したと考えられます。

もう一つ、ホタテ貝殻焼成カルシウムの後味に甘味があるのですが、そのためにご飯の甘味も増したという結果も得られました。

同様の報告が『日本食品科学工学会誌』(2004 /Vol51, No11 585~591)に竹炭浸積液を利 用したケースとして掲載されています。

わたしは以前、炊飯用の水を水道水から浄水に変えた時、ご飯の味が激変したのにびっくりしまし た。お米のせいじゃなかったんだ、お水が大事なんだと気づいた最初でした。そして今はもちろん還元水を使っていて、より美味しくいただいています。

最後に誤解している人も多いと思うので付け加えておきます。還元水で洗米すると水が黄色くなり ますが、これは米の植物色素フラボノイドがアルカリで黄色く変化したものです。

第18回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

脱水症状を克服するのに還元水飲用は有効か!?

男女100人が運動後に試みた

還元水と精製水の飲用比較

運動不足だからまずはウォーキングを始め ようと意気込んでみたけれども、日に焼けるのは嫌だし、長袖を着たら暑いし、汗をたくさんかいたら日焼け止めは流れてしまうし、といろいろな理由をつけてエアコンの効いた部屋から出られなくなる季節になってきました。

ところで「暑熱順化」という言葉があります。これは体温調整によって体が暑さに慣れることです。何の変哲もない言葉のようですが、体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされますから、暑熱順化の大切さは理解していただけると思います。

わたしたちは暑いところにいたり、運動をして体温が上がったりすると、発汗や皮膚の血管の拡張、または心拍数を上げるなどして体温調節をします。とくに汗は蒸発する時に気化熱で皮膚の温度を下げてくれる有益な役割があります。体温調整がうまくいかないと熱中症になりやすくなります。

初夏に暑いと思っていた気温が、夏本番になると涼しいと感じたことがあるのではないでしょうか? それはあなたが暑熱順化したからです。

暑く湿気た環境で還元水を飲むと・・・

 毎日、仕事柄、エアコンの効いた環境で過ごすという人も少なからずいるでしょう。ずっとエアコンの効いた部屋で生活すると、この暑熱順化ができません。

子どもは大人より外で走り回るから大丈夫だったのですが、最近は小中学校にもエアコンが完備されていますから、外で遊ばなければ子どもでも暑熱順化が不十分になる可能性があります。

暑熱順化するにあたって汗をかくので水をうまく摂りたいですね。そこで、湿度が高く暑い環境下で運動後に還元水を摂取すると、どういう結果が得られるのか、についての研究があったので紹介します。

2016年11月28日発行の国際スポーツ栄養学会誌に掲載された英語論文です。タイトルは「アルカリ性電解水の健康成人における血液粘度への影響」。

著者(所属)は、ジョセフ・ワイドマン(トーマス・ジェファーソン大学/米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)、ラフル・E・ホールスワース・Jr(南東コ ロラド病院/米国コロラド州スプリングフィールド)、グレゴリー・フリードマン(A.J.ドレクセル・プラズマ研究所/米国ニュージャージー州カムデン市)ほか3人(3団体)。

BMI29以下の男女50人ずつに試験

いうまでもなく、スポーツに限らず体を使う職種において適切に水分補給をおこなうことが大切です。運動中の発汗による体重の2%以上の減少は、生理的なパフォーマンスの低下と関連することが立証されています。

今回の研究では、運動で誘発した脱水後の回復のために、精製水とアルカリイオン水(還元水)をそれぞれ飲用した場合の血圧、心拍数等の各種測定や血液検査による生体マーカーの比較をおこないました。 25歳から49歳の成人ボランテイア100名(男性50名、女性50名)を対象として、還元水 と精製水のどちらを飲用しているのかを知らせない「無作為二重盲検」で実施しています。

対象者は(体重kg)÷(身長m)で計算される体格指数のBMIが29以下で非喫煙者、そして試験参加前に1週間以上投薬を受けていない人。また、24時間前から激しい運動やアルコール摂取を控え、カフェインの過剰摂取がないように指示しています。そして女性は妊娠・授乳・月経中ではなく、過去3カ月間に経口避妊薬を服用していないことを確認しています。

ちなみに日本肥満学会の基準では、BMIが 18.5~25未満は正常、25以上30未満が肥満1度とされます(基準は40以上の4度まである)。この日本の基準に当てはめると、アメリカ人は70%が肥満です。

試験開始時に各種測定、採血をおこない、その後は食事と水分摂取を控えるように指導しました。

そして、被験者はトレッドミル、固定式自転車、エリプティカルトレーナーのいずれかを使って、体重が2.0±0.2%減るまで有酸素運動をおこないました。部屋の温度は30°C、相対湿度70%の温熱環境としました。

運動終了後は21°Cで相対湿度60%の環境に移動して20分休息後に各種測定、採血をおこないました。

その後30分の間にボトル入りの精製水あるいはミネラルを添加した還元水を飲むよう指示しましたが、その量については最初の体重1kgあたり20mℓに設定し正確に測って渡しました(たとえば体重60kgの場合は1200mℓ)。90分間の回復期の間にも血液粘度と血漿浸透圧を6回測定しました。

試験時間は被験者によって異なり、4~8時間かかっています。精製水を飲んだ群と還元水を飲んだ群は、平均年齢、人種に差はなく、血圧、心拍数、呼吸数、体温などにも差はありませんでした。

還元水は血液粘度の回復に優位性

ではその結果です。血液粘度は運動により両群で同じように増加しましたが、還元水を飲んだ群は60分で運動前のレベルに戻りましたが、精製水を飲んだ群は120分後も元に戻りませんでした。血漿浸透圧、生体電気インピーダンス(体脂肪計に使用されている体内水分を測る方法)は両群に有意な差はありませんでした。

この試験では統計学的に還元水を飲んだ群の方が急性脱水後の血液粘度の回復が早いという結果になっています。要は早く血液サラサラになるということですね。

このメカニズムについて、今回の研究グループは酸化ストレスの軽減と関連している可能性が考えられると推察しています。

スポーツで体を動かしたり、激しい肉体労働をしたりするさい、ウォーキングの時のようにいつも水を飲める環境にはないことがあります。今回のデータは、急性脱水的なケースにおける適正な水分補給のあり方を示したといえるのではないでしょうか。

この研究結果を参考に、還元水による水分補給に気を配り、早く暑熱順化して、少しでも夏の暑さを楽に過ごしたいものです。

第17回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水と運動の併用でQOLの向上を促すか!?

SD501が生成した還元水をつかって

インドネシアで糖尿病患者に試験

食事は腹八分目が良いと昔から言われていますが、お腹いっぱいになるまで食べていませんか?

成長期をとっくに過ぎているのに、1年前に着ていた服がもう入らなくなったりしていませんか?

定期的に体を動かせていますか? いつも何かしら不平、不満が溜まることばかりと思っていませんか?

以上は順に、食べ過ぎ・肥満・運動不足・スト レスの状態を聞いた質問です。そしてこれらに 「イエス」と答えたら、全部、2型糖尿病への道につながる生活習慣になってしまっています。

ちなみに1型は自己免疫疾患で、生まれつきインスリンが不足して発症します。患者数は2型が圧倒的多数を占めています。

今回紹介する研究はすでに2型糖尿病になっている人に対してのものですが、上記に当てはまる人も絶対タメになる話ですから、ぜひ読んでください。

連載の第14回で、糖尿病と還元水の飲用 について日本での研究データを紹介しました。今回はインドネシアの研究所のデータを紹介してみます(研究は台北医科大学と合同で実施)。

それは、2型糖尿病患者が定期的な運動と還元水の飲用によって、炎症と酸化ストレスの軽減やQOL(Quality of Life/生活の質)の向上をもたらすか、という研究結果です(『Antioxidants』誌/2020年10月号掲載)。

増大するインドネシアの糖尿病患者

インドネシアの人口は日本より多く2億7,900万人です。平均年齢は30歳程度で、世界の平均年齢(2020年現在30.9歳)とほぼ同じ。ちなみに超高齢化した日本の平均年齢は48.4歳です。

インドネシアの糖尿病の患者は2019年に1,070万人で、2045年には1,660万人になると予想されています。

さらに近年、糖尿病に限らず多くの病気の発症に慢性的な炎症や酸化ストレスが関連していることが分かっています。

そこでこの研究は、経口血糖降下剤を飲んでいる2型糖尿病患者が、還元水をしっかり飲むことと、運動として定期的にウォーキングをすることで、酸化ストレスと炎症マーカーが改善し、QOLの改善効果をもたらすのか、を評価しました。

なお、参加した2型糖尿病患者の選定にあたっては、以下の9項目の除外基準を設定しています。

1還元水の飲用経験がある。2認知機能低下がある。3四肢切断など歩行不能である。4妊娠中。5抗うつ剤を飲んでいる。6聴覚障害がある。7血栓、ガン、自己免疫疾患、その他疾患の既往がある。8インシュリン注射をしている。9身体および精神障害により歩行困難である。

20人×4群に分けて試験を実施

試験は以下のように、20人ずつ4群に分けて実施しました。

1群:還元水を毎日2L飲むグループ。2群: 毎日30分ウォーキングするグループ。3群:還元水を毎日2L飲んで30分ウォーキングする グループ。4群:対照群としていままでと同じ生活をするグループ。

還元水はレベラックSD501を使って研究所が作成したものを週2回、pH9.5、ORP(酸化還元電位)-400.1±13.3mVに調整し、1日2Lを8週間飲むように指示しました。

ウォーキングはとくに距離や速度の指定はなく、8週間、週5回、少なくとも1回30分間歩くように指示しました。

QOLのスコアを評価する尺度は、国際的に最も普及している「S F-36」を使っています。これは「身体機能」「活力」「社会生活機能」「心の健康」など8つの領域で、36項目の質問に答えた内容を数値化する尺度です。1~100点で 計り、得点が高いほどQOLが高いと判断されます。

還元水+運動で顕著な効果

 では結果を見てみましょう。まず普段と同じ生活をおくる4群(対照群)では8週後に血糖値は変わらないものの、酸化ストレスの指標および炎症マーカーが高くなりました。他の3つの群は血糖値と酸化ストレスの指標、そして炎症マーカーも低下しました。

QOLスコアについては、「身体的要素」と「メンタル要素」に分けて得点化したところ、毎日30分 のウォーキングのみの2群では、身体的要素(45.16→60.81)、メンタル要素(47.54→61.32)とも有意に増加し、総合でも46.33 →61.09というスコアになりました。

還元水を毎日2L飲んだ1群のQOLスコアをみると、メンタル要素(46.52→47.21)は増加せず、 身体的要素(45.16→57.09)と総合(45.84→52.16)は増加しました。

毎日30分のウォーキングと還元水の毎日2L飲 用を組み合わせた3群では、1群と2群に比べさらにQOLスコアは増加し、身体的要素が44.94→67.69、メンタル要素は46.43→73.54、総合でも 45.69→70.62という好結果でした。

4群(対照群)のQOLスコアは、身体的要素 (43.99→42.11)、メンタル要素(46.66→47.84)、総合(45.33→44.98)と、ほとんど変化は認められませんでした。

ウォーキングのお供は還元水!

糖尿病の血糖値のコントロールには適度な運動が必要であることは以前から言われていますが、QOLの改善にもつながるということを、今回の試験で証明できました。

還元水の抗酸化作用、抗肥満作用、抗糖尿病作用については、これまでのいろいろな研究でも報告されています。それは高い還元力と溶存水素に起因するのではないかと言われてきました。加えて、運動トレーニング後の還元水の飲用効果についても報告があります(これについては追って紹介します)。

今回の試験は、3群のようにウォーキングと還元水の飲用を組み合わせると、相乗効果が得られる ことを示しました。

そこで今日からウォーキングを始めようと思った方にアドバイスを。

アスファルトやコンクリートは思っている以上に 膝に負担がかかり逆に膝を痛める原因になりますので、土の上をお勧めします。それがむずかしい場合は、ウォーキング用のクッションがある靴を履いてください。そして大きめのウェストポーチに還元水を忘れずに。

第16回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

マウスの実験が示した水素の脂肪肝抑制機能

水素が豊富な還元水の飲用で

非アルコール性脂肪肝に対処可能?

「脂肪肝」という名称を聞いたことがあるでしょうか? 肝臓の5%以上の細胞の中に脂肪が溜まっている状態のことです。エコー検査をすると肝臓が白く輝いた映像になるので、健康診断などで指摘されたことがある人もいるかもしれません。

この脂肪肝——よく知られているのがアルコールの飲み過ぎで起こるものです。しかし最近は、アルコールを飲んでいないにも関わらず起こる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されています。これが進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/ NASH)になりますが、昨今では、ウイルス肝炎を合併しない肝ガンが増えている主因と考えられています。

危険因子としては、肥満、糖尿病、脂質異常症、男性(であること)などがあげられます。 2009年から2010年に健康診断を受けた5,057人を対象に検討したところ、NAFLD /NASHは男性41.0%、女性17.7%に認められています(『日本消化器病学会雑誌』第 114巻・第5号「NAFLD/NASHの疫学とリスクファクター」より)。

還元水の持つ各種保護作用

脂肪肝は生活習慣を正すことで正常に戻すことができます。では、機能水にもその有効性があるのか、ということについて実験報告があったので紹介してみましょう。「高脂肪食非アルコール性脂肪肝モデルマウスにおけるアルカリ電解水および水素水の効果について」という論文がそれで、イスラエルのテルハイ大学が2018年12月に発行した『World J Gastroenterol』に掲載しました。

電解アルカリイオン水(EAW = 還元水)には抗肥満作用、抗酸化作用、抗糖尿病作用、肝保護作用があることが、各種学会等でこれまでに報告されています(本連載でも紹介してきました)。

還元水の持つ高いアルカリ性と低い酸化還元電位(ORP)という特性が、この作用をもたらしているのでは、とされてきました。ORPは水の酸化力または還元力の強さをV (ボルト)で表示する、エナジック販売店の皆さんなら関心の高い単位ですね。この数値がマイナスなら還元力が優れている、というわけ です。

最近ではこのほかにH2(水素分子)の役割も注目されています。以下に紹介するのは、還元水を使った実験A、および水素が豊富な水素水を使った実験Bとその結果です。

実験Aでは、餌と水分の摂り方で、マウスを以下、4つの群に分けました。①普通食と通常の水(市販のミネラルウォーター)、②普通食と還元水、③高脂肪食と通常の水、④高脂肪食と還元水。

ここで使用された還元水は(レベラックシリーズのような)連続通水式ではなく、水を溜め隔膜電解法でおこなう方式の生成器で作られました。

連続通水式の生成器の場合、水の種類や水量に応じて還元水のpHやORP値、また水素濃度は常に変化します。そこでこれを一定の条件に設定するため、水を溜めて生成するこの隔膜電解法の機械を使ったのです。

この生成器で市販のミネラルウォーター (pH7.8)を3時間連続電解してできた陰極の還元水(pH = 11±0.48、ORP = -495±27mV、H2=0.2mg/L)を実験に使用しました。

その結果ですが、高脂肪食を摂ったマウスは12週後には普通食を摂ったマウスより72%も体重が増加し、肝臓は脂肪肝になっていました。しかし、還元水と通常の水との間の差は認められませんでした。

還元水は作り立てを飲もう!

次が水素水を飲ませる実験Bで、高脂肪食の餌を与えたマウスを、飲ませる水の種類で3つの群に分けました。①通常の水、②低濃度の水素豊富水、③高濃度の水素豊富水です。

この水素豊富水は、マグネシウムを水に入れると水素分子が発生する性質を利用して作り、濃度は、高濃度水素水が0.8mg/Lで、低濃度水素水は0.3mg/Lに設定しました。pH は約8.0に調整し、水素濃度を一定に保っため、毎日測定されました。

また、平均の飲用量は高濃度の水素水のマウスで8.83mL/日、低濃度の水素水のマウスは3.66mL/日でした。通常の水を摂っていた対照群のマウスの飲用量は3.34mL/日でしたが、いずれも餌の摂取量に差はありませんでした。

結果を見ると、まず体重については、高濃度の水素水飲用のマウスは他のマウスに比べて増加は少なく、脂肪組織の増加も少ない結果となりました。肝臓の組織を観察しても同様な結果が得られました。

同時に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の関連遺伝子の発現についても検査を実施しましたが、高濃度の水素水を飲用したマウスのみに脂肪酸代謝関連遺伝子の発現の抑制が認められました。また、脂肪組織から血液中に分泌されるアディポネクチンというホルモンの増加が認められました。これはメタボ抑制に有効性があるとして注目されているものです。

高濃度の水素水を飲用したマウスの飲水量が他に比べて3倍にもなっている理由は分かりません。 しかし結果として低濃度の水素水の飲用マウスに比べ、(濃度と飲水量を掛け合わせると)H2の摂取 量は約8倍になっています。

いずれにしろ、この結果を見るかぎり、豊富な水素が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症抑制に関連している可能性が示唆されたといえます。

他方、実験Aでは、pHが十分に高くORPが低い還元水を使用したにも関わらず、NAFLDとの関連 性は認められませんでした。脂肪性肝疾患の抑制のために大切なのは水素ということになります。

これまでも溶存水素には肝保護作用があるのでは、という説が存在していました。豊富な水素水の 飲用マウスを使った実験Bは、それを裏付けたといえるかもしれません。ただし、水素濃度が高い必要のあることが分かりました。

還元水に含まれる溶存水素にも同じことが言えます。電解水生成器で生成した直後の還元水をコップに入れてみると、微細な泡がたくさん出ているのが見えます。これが溶存水素です。この水素はガスですから時間と共に抜けます。効果的に還元水を摂取するためには、なるべく作り立てを飲みたいものです。

第15回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

電解水ではたして悪臭は消せるのか?

電解水を使った「香害」対策の

研究結果で示されたこと!

「香害」(公害ではありませんよ)という言葉をご存知でしょうか? 柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤など、強い香りの入った製品による健康被害のことです。

【その香り困っている人がいるかも?】

これは、2021年8月に消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省が作成した合同ポスターのキャッチコピーです(右のポスターを参照)。そこにはこうも書いてあります。

「柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするという相談があります。自分にとって快適な香りでも、不快に感じる人がいることをご理解ください」

「香りの強さの感じ方には個人差があります。使用量の目安などを参考に、周囲の方にもご配慮いただきながらお使いください」

省庁が合同でこのようなポスターを制作しなければならないほど、「香害」はいま深刻になっています。実際、わたしたちの周囲にはさまざまな臭いを消すための人工的な香りで溢れています。

ドラッグストアに入ると、いろいろな商品の臭いが入り混じっています。わたしはとても苦手なので香りのついていない製品を探して買っています。

一方、化粧品の香りが以前より薄れたように思えるのは、人工的な香りが苦手な女性が増えたからでしょうか?

社会問題化する「化学物質過敏症」

こうした香りの大半が合成化学物質です。人によっては症状がきつくなって化学物質過敏症と診断され、どこにも出掛けられなくなるケースさえあります。社会問題にもなってきているのです。

このように香りをつける目的は不快な臭いを消すため、ということが多々あります。そこで香りに頼らず臭いだけを消す方法として電解水を使えないか、というユニークな研究を近畿大学工学部がおこない、論文を発表しています。

そのタイトルは「生活環境中の臭気成分に対する電解水の消臭効果」(『近畿大学工学部研究報告』No.54,2021年,p.13-16掲載)で、著者は野村正人近畿大学名誉教授ほか4人です。

現在、臭気成分としては22種類の化合物が指定されています。そのうちアンモニア臭やニンニク臭を含む12種類の臭気成分をA からDの4グループに分けて、消臭効果を測定しました。

消臭用に使用した「水」は、食塩水溶液(0. 2%以下)を電気分解してできた、酸性電解水とアルカリ性電解水(還元水)、そして精製水の3種類です。酸性電解水はpH3.0~5.0、 塩素濃度20~60ppmのもの。還元水はおよそ0.02%の水酸化ナトリウムを含むpH11~12の水溶液です。比較物質としては 精製水を使用しました。

電解水で消臭効果を測る実験

A~Dそれぞれの臭気成分は次のとおり。●Aグループ[窒素系:アンモニア(NH3)][トリメチルアミン(TMA)] ●Bグループ[アルデヒド系:アセトアルデヒド(AAA)][2-ノネナール(2-NA)] ●Cグループ[脂肪酸系:酢酸(AA)][イソ吉草酸(IVA)] ●Dグループ[硫黄系:硫化水素(H2S)] [メチルメルカプタンMM)][アリルメルカプタン (AM) ][アリルメチルスルフィド(AMS)][ジメチル ジスルフィド(DMDS)][ジメチルトリスルフィド (DMTS)]

結果は次のとおりでした。

Aグループの窒素系臭気成分は水溶性で、どの水でも消臭効果がありました。中でも酸性電解水が一番高く、TMAに対しては99%の消臭率を示しました。

一方、精製水は78.4%、還元水は78.4%でした。NH3も水溶性でどの水でも消臭効果が見られましたが、精製水で74.4%、酸性電解水で78.6%、還元水で64.3%という結果でした。

BグループのAAAはアルコールの分解過程で作られる物質ですから、酒臭い臭いです。消臭率は精製水18.7%、酸性電解水18.7%、還元水12.5%でした。加齢臭として知られる2 -NAの消臭率は、精製水16.6%、酸性電解水20.5%、還元水10.4%でした。

脂肪酸系のCグループはどの水でも97%以上と高い消臭率でした。硫黄系臭気成分のDグループの中では、ネギやニンニクの臭い成分であるAM とAMSに対しては、酸性電解水で90%の消臭率が確認されました。精製水や還元水は消臭率0%でした。

酸性電解水の消臭性を確認

AMとDMTSは最近、食事とは関係なく、ストレスがかかると普通の汗の臭いとは異なる不快な臭いとして発生することが知られています。DMTSについてはどの水も消臭率0%でした。

H2SとMMは口臭の原因にもなる物質ですが、MMに対しては酸性電解水が33.3%の消臭率、精製水は6.7%、還元水は11.1%でした。しかしH2S についてはいずれの水でも消臭率は0%でした。

この報告では酸性電解水が特にストレス臭のAMに有効で、その他、アルコール臭、加齢臭、口臭 にもある程度有効なことがわかりました。

ところでこれらの体臭の原因は、腸内状態とも密接に関連しています。そこで腸の健康を維持するための水分補給としては、還元水の飲用が最適である、ということはこの連載で何度か取り上げました。いわば還元水は「臭いのもと」を消すための有効性があるというわけです。

ほかにわたしがお奨めするのは、日々のストレスの解消のために自然の中で過ごしてみることです。 そうすると自然の香りが心身を癒してくれますし、芳香剤が不快に思えてくるかもしれません(わたし はそうでした)。

第14回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

還元水飲用は糖尿病に効果を期待できる?

還元水飲用群と浄水飲用群で

比較実験した結果を紹介!

糖尿病患者は世界的に増加の一途を辿っています。以下、IDF(国際糖尿病連合)の統計数字を使って紹介してみます。2021年には糖尿病患者は世界で5億3,700万人、日本では1,100万人とされています。2015年の報告では日本の糖尿病患者数は世界9位でしたが、2017年には10位以下に下がりました。しかし2021年の数字では9位に戻ってしまったのです。

こうした糖尿病患者の90%が2型糖尿病で、主な原因は、都市化、高齢化、運動不足、不健康な食事、過体重や肥満です。ひと言では「生活習慣が原因」といえるでしょう(1型は自己免疫疾患が原因とされています)。

日本では2019年に糖尿病関連の医療費は2.6兆円使われていますから、予防と患者の削減は喫緊の課題といえます。

■効果的な運動療法と食事療法

糖尿病は薬物療法以外に運動療法、食事療法が大事です。これは健康的に生活する上でも同様です。

といっても激しい運動をする必要はありません、実は日常生活で十分に動けていれば、わざわざ運動をする必要はないのです。都市化で運動不足になるといわれていましたが、実は最近、地方の人の方が運動不足になることが多いのでは、とされつつあります。

というのも、地方では交通の便が悪いためどこに行くにも車が必要ですが、都会の場合は交通機関が発達しているので、案外、歩いています。注意しないといけないのは、コンク リートの上を歩くとクッションがないため膝を痛める原因になることです。

通勤時もクッション性のあるウォーキング用の靴を履いて、少し歩幅を広くして筋肉を使い歩くとそれだけでよい運動になります。そして休みの日にできれば土の上を歩く機会を作ると、とてもいい運動になります。ただし、整備された芝生は除草剤などの化学薬品が使われていることがあり、体に悪影響を与えることもあって注意が必要です。

糖尿病患者の食事の基本は、間食を控えて食べすぎず腹8分目までにすることです。そしてアルコールは飲みすぎないこと。食事内容としては、インスタント食品、加工食品、冷凍食品はなるべく避けましょう。砂糖を使わず、天然の塩、醤油、味噌、出汁で味付けをしたいですね。昔ながらのご飯と汁物、主菜と副菜の組み合わせが一番簡単で、糖尿病患者にふさわしい食事なのです

■高い血糖値=糖尿病ではない!?

糖尿病というのは血糖値が高いことだと思っている人が多いと思います。しかし食事を摂ると糖が消化吸収されて、誰でも血糖値は上がります。そして膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血中の糖を細胞の中に取り込んでエネルギーとして使用できるようにします。このインスリンの効き目がうまくいかなくなることを“インスリン抵抗性”といいます。肥満や運動不足などさまざまな原因によって、このインスリン抵抗性が高くなって血糖値が下がりにくくなると、たくさんのインスリンが必要になります。

それが長期間続くと膵臓が疲れてきてインスリンの分泌量が減退し、(2型)糖尿病になるわけです。この場合、運動療法や食事療法を頑張ってもインスリン抵抗性はなかなか改善しません。

■東北大学の実験が示した有益性

その解決策として期待されているのが、以下に示した実験のような「還元水の飲用」なのです。

東北大学高度教養教育・学生支援機構の小川晋准教授(研究当時は東北大学大学院医学系研究科)らのグループは、2型糖尿病患者が電解水素水(還元水)を日常的に飲用することで、高値のインスリン抵抗性に改善効果があることを明らかにしました(論文は日本糖尿病学会『Diabetology International」誌の電子版2021年7月18日号に掲載)。

実験は、インスリン治療を受けていない2型糖尿病患者を対象におこないました。電解水生成器を 還元水だけ出るものと浄水のみが出るものを見た目が分からないように改造し、患者も還元水だけと 浄水だけを飲む群に区分けました。

そして、それぞれに3カ月間、毎日1500mlから 2000mlを飲用してもらいました。そのうえで、還元 水を飲んだ群(23名)と浄水を飲んだ群(20名)で臨床データを比較しました。

そうすると、還元水を飲んだ群は血中の乳酸濃度が低下し、尿中への尿酸の排泄の増加と尿のpHの上昇が見られました。還元水を飲むことによる副作用は認められませんでした。論文の概要では、インスリン抵抗性の改善について2群間の有意な差は認められませんでした。

しかしインスリン抵抗性が1.73以上の高い群だけを取り出して解析したところ、インスリン抵抗性の改善と酸化ストレスの指標の一つである総酸化度(d-ROM)の低下が見られました。つまり活性酸素の働きが鈍ったとみることができます。

また、インスリン抵抗性が1.73未満の低い群については、還元水飲用群だけが総抗酸化度(BAP) が有意に上昇していました。これは抗酸化力が上がったということですから、歓迎すべき結果といえ ますね。

さらに、還元水を飲むと血清カリウム値が上昇したり、水素イオンが上昇したりすることで血中の酸性度が高くなって、さまざまな症状を引き起こすのでは、との懸念は杞憂でした。

また、水素イオンの上昇ではなく、水素分子の増加を示したため、「還元水はアルカリ性の水である」 ことを、改めて裏付けました。以下が実験の結論です。還元水の飲用は、不適切に増加した酸化ストレスを抑制し、インスリン抵抗性を減少させた。インスリン抵抗性が正常な人にとって還元水の飲用は 問題がなく、インスリン抵抗性が増加した2型糖尿病の人にとっては、有益な効果が期待できると考えられる一。

これは、健康維持のために飲む水として還元水が有用である、ということの裏付けの一つになる研究 ではないでしょうか。今後、さらに大規模なスタディ結果の発表が期待されます。