第25回Dr. マリが綴る「水ご健康」AtoZ

エナジックインターナショナル顧問
医学博士 上古眞理(じょうこ まり)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

30年の臨床経験に基づく還元水の特質と効果

還元水活用の経験豊富な医師の

著作を読んで感じたこと

この連載を始めてから早いもので2年が経ちます。 新年に当たり、これまでお読みいただいてきた皆さんに、心よりお礼を申し上げます。今後も、皆さんにとって有益で参考になる電解水情報をお届けできるよう努力していきます。

ところで最近、ちょっとした出会いがあり、1992年の電解水ブームのきっかけになったテレビの報道番組で取材されていた先生の著書を読むことになりました。

実はあの番組はリアルタイムでは見ていないのですが、後に録画を見て一度その先生の話を聞きたいと思っていました。つい先日、著書があることを知り、さっそく購入し読んでみました。それが河村宗典著 『水が教えてくれたこと』(KKロングセラーズ/2016年)です。

使い始めて魅了された還元水

本の最初に“この水は革命だぞ、このままなら今に西洋医学はぶっつぶれるぞ!”と先輩医師に言われた、とあり、ではこの水を試してみようということになったと記述しています(15~16ページ)。

そこで自分が院長をしている病院に導入し、臨床実験を開始したところ、瞬く間にこの水に魅了されたと書いてあります(18ページ)。その水こそ、電解還元水(以下、還元水)でした。

最近は何でもエビデンスはあるのか、とか、論文データはあるのか、ということを言われますが、医療 はそれぞれ違う背景を持っている患者さん一人ひとりに寄り添っておこなうもので、統計データとして まとめようのない事例がたくさんあります。

この著作には、河村先生が30年間にわたって経験した、数多くの臨床例に基づく還元水に関する見解が書かれてあります。その中から少し紹介してみます。

ただし、あらかじめお断りしておきますが、皆さん、よくご存じとおり、厚生労働省が認めた還元水の医療効果は “胃腸症状の改善”だけです。したがって、以下に示すのは、あくまで河村先生の臨床経験に基づく事例で、これを普遍化したり、一般化したりすることはできません。そのことを認識したうえで、お読みください。

腸内環境の変化を促す

読者の皆さんの中には、水を飲み過ぎると水中毒になるという話を聞かされたことはないでしょうか。 水中毒とは、血液が水で薄まって血中のナトリウム値が下がり、ひどい場合は死に至る状態を指します。

しかし河村先生の病院に入院して還元水を飲まれた患者さんの場合、1人も水中毒にかかった人は見たことがないと書かれていました。

逆に、水を制限される糖尿病性腎症の患者さんが還元水を飲んで人工透析が延期になったり、透析をしないで済んだりした、ということも経験されたようです (88ページ)。

河村先生がご家族と共に還元水を飲み始められてしばらくすると、ご家族からトイレの後の臭いが減ったと言われました。そしてそのことを、同じく還元水を活用している先輩医師に伝えたところ、その先生は、飼い犬のウンチの臭いが減った経験をされていたというのです。

これは還元水によって腸内細菌が変化したからではないか、と考えられます。そもそも 便の悪臭はインドール、スカトール、アンモニア、硫化水素、ヒスタミン、ニトロソアミン、フェノールなどのためです。 これらは腸内のウエルシュ菌等の悪玉菌が増殖し、食事等を通じて摂取したタンパク質を分解・異常発酵すると発生します。

これらの物質はまた、ガンやアレルギー症状などの原因になると言われていますが、便の悪臭が減ったというのは悪玉菌が減ったということです。

ちなみに赤ちゃんの便は甘酸っぱい臭いがしますが、これはビフィズス菌や乳酸菌によるものです。

成長とともにいろいろなものを食べるようになり腸内細菌も変化してきます。

そして気づいたら悪玉菌が多くなりすぎる状態に。ところが、還元水を飲むことで腸内は悪玉菌が住みにくく、善玉菌が住みやすい環境になるのでは、と河村先生はいうのです。

病気は自分で治すもの

血液検査が必ずしもその時の身体の状態を正確に反映しているとは言えません。実際、自覚症状 は良いのに検査データはむしろ悪くなっているように見えることがあります。

河村先生の診た患者さんの中に、還元水を飲んだのにデータが悪くなっている、という人がいました。しかし身体の状況を聞くと、自覚症状は良くなっていると答えたといいます。

この場合、還元水の摂取に身体が順応できないからではないかと考えられます。

そもそも還元水だけで病気が良くなるわけではありません。さまざまな治療や療法が必要です。それ以外にも大切なのは、何かに頼らず、必ず治るという信念です。河村先生はそう主張しています。

著作の最後の章 (156ページ~)にガン治療の話が書かれていました。そこでは、三大療法 (手術、放射線、化学療法)を取り入れつつ、ガン温熱療法や腸管免疫のために乳酸菌飲用療法をおこなっているとのことでした。そして還元水は、生命活動の基本を支えるものと位置付けているというのです。

■“も合わせた統合的医療を!

いろいろな患者さんを見てきて、治る患者さんというのは病気に対する恐怖心が全くないか、自分が病気であることを全く意に介さない心境に達している人たちだということです。

わたしたちが本当に健康に生活をするためには、水だけでなく、心まで含めて統合的に考えていく必要があります。

また、病気を治す力は本来自分が持っています。還元水はその力を引き出す一つに過ぎません。 とはいえ還元水の持つ性質を知っておくことは、健康ライフをおくるうえで意義あることと思います。

なるべく医療に頼らず健康に生きていくために何をしたらいいのか。年の初めこそ、皆さんそれぞれがご自分で考えてみる良い機会ではないでしょうか。お医者さんは病気しかみませんから。

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