日本電解水協会が電解水セミナーを開催強酸性電解水の「対コロナ評価」がテーマに!

電解水ニュース

2020.12

11月11日、都内品川区の会場で、エナジックも会員で ある、一般社団法人「日本電解水協会」(JEWA)の第12 回セミナーが開催されました。「コロナ禍」のさなか、例 年より参加人数を絞って開かれましたが、報告者の3つのテーマはすべて新型コロナウイルス関連で、その影響の強さが改めて浮き彫りになりました。

報告と講師は次のとおりです。

①《「新型コロナウイルスに対する代替消毒剤の有効性評価」に関する検討委 員会報告の解説ほか》報告者/高木弘隆・国立感染症 研究所主任研究官、

②《コロナ禍における次亜塩素酸水の対峙戦略》報告者/堀田国元・機能水研究振興財団理事長、③《新型コロナウイルスに対する対応と今後の 取り組み》報告者/石渡幸則・JEWA会長。

電解水生成器の各メーカーが主会員であるJEWAにとって、次亜塩素酸水(強酸性電解水)が新型コロナウイ ルスにどんな効果があるのか、には高い関心を持たざるを得ません。報告①では、経産省/NITE(独立行政法人・製品評価 技術基盤機構)が設置した「代替消毒剤方法の有効性評 価に関する検討委員会」の報告を取り上げ、各種研究結果を通じた次亜塩素酸水の効果を検討しました。

②は、この春の「第一波」の時期に次亜塩素酸水について広まった各種言説を整理し、正しい知識の普及・広 報を図ろうと提案しました。③は、次亜塩素酸水の評価を巡るコンプライアンスが主テーマで、具体的な事例を示しながら法令順守の大切さを強調しました。

このセミナーで明白に なったのは、強酸性電解水の有効性について、科学的なエビデンスに基づく冷静な議論が必須ということでした。

東工大との共同研究が『日本機械学会』の論文に!

電解水ニュース

2020.12

本誌2月号の「電解水を科学する」コーナーで、「より良い製品をめざして――東工大と共同研究中!」と題する記事を掲載しました。東工大工学院の平井秀一郎教授ならびに兒玉学助教とエナジックインターナショナル大阪工場の奥村一彦専務、戸瀬義久技師が共同し、「電解槽の長寿命化と小型化をめざす」のが、この研究の テーマです。

具体的には、電気を流して水を電気分解する電解槽の内部現象を解明することで、より耐久性の高い、効率の良い製品の開発を図る、というもの。この研究成果の一部がこのほど『日本機械学会』発行の論文集に掲載されました。

機械学会の論文集に掲載される論文は「査読付き論文」といわれ、他の研究者による厳密な審査を経て初めて掲載されます。一般的な学会発表とは違って、学術的にたいへん価値の高い発表とみなされ、共同研究者のエナジックにとっても、アカデミックな世界に社名が残る意義深い結果となりました。

論文のタイトルは「電解水生成装置陽極槽のイオン輸送2次元数値解析」。少々難解ですが、論文では、まだまだ未知とされることの多い電解槽の内部現象を、流体力学、電気化学、電磁気学を用いて数値モデルとして構築することができた、と結論付けています。加えて、さらなる解析モデルの妥当性の検証と向上、電極板を含めたシステム設計の最適化が課題としています。エナジックは今後、この研究成果を製品開発に生かしていく方針です。

 ※関心のある方は以下のアドレスから論文を見ることができます。

【東工大「平井笹部研究室」HPアドレス】

http://www.tanso.mech.e.titech.ac.jp/H&T/posts/new s36.html

次亜塩素酸水(酸性電解水)が新型コロナウイルス変異株も不活化!

電解水ニュース

2021.07

エナジックインターナショナルも会員の日本電解水協会(JEWA)帯広畜産大学が共同研究をおこない、次亜塩素酸水(酸性電解水)が新型コロナウイルスの変異株 (イギリス型=アルファ株)についても不活化させる効果があることを証明しました。

6月に発表された同報告によりますと、測定方法は次のとおりでした。

pH2.7 の強酸性次亜塩素酸水(有効塩素濃度 35.2ppm)、

pH4.0の弱酸性次亜塩素酸水(同 36.5ppm)、

pH4.6の微酸性次亜塩素酸水(同 35.6ppm)、

pH5.0の微酸性次亜塩素酸水(同 38.7ppm)

の試験水とウイルス液を19:1の比率で混合させ、20秒間の反応時間をおいて測定しました。その結果、すべてでウイルスの不活化を示したとのことです。 酸性電解水の新型コロナウイルス不活化効果については、これまでもさまざまな研究機関、大学等が実験・証明してきました。北海道大学人獣共通感染センターとエナジックインターナショナルが共同で取り組んだ試験もその一つです(本誌の昨年6月号で紹介)。

これらを受けて、国も「一定濃度以上の次亜塩素酸水が有効」と認めています。朗報ですが、こうした情報は、薬機法など関連法規に抵触しないよう十分に配慮して活用 する必要があります。

「次亜塩素酸水で新型コロナ対策」の研究結果相次ぐ

電解水ニュース

2020.06

帯広畜産大学の試み

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)をどう不活化するか―さまざまな研究機関等がいろいろな方法で試みているなか、帯広畜産大学(北海道帯広市)次亜塩素酸水(酸性電解水)を使った注目すべき研究結果を同大のホームページで公表しました。5月14日(第1報)と 26日(第2報)に掲載されたのは、「獣医学研究部門の小川晴子教授とグローバルアグロメディシン研究センターの武田洋平特任助教らの研究グループが、新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の不活化効果を証明した」 とする研究結果です。

実験は国立感染症研究所から提供されたウイルスを用い、次亜塩素酸水生成装置のメーカーである(株)アク ト(帯広市)と連携しておこなわれました。以下では「第2報」に基づいて実験の方法と結果を紹介してみます。

実験で使った次亜塩素酸水は次の3種類です。

①pH2.5、塩素濃度74mg/L、

②pH4.5-6.0、同45mg/L、

③pH6.0、同29mg/L)。

ウイルス液とこの3種類の次亜塩素酸水をそれぞれ1対9の割合で混合し、 10分間と1分間、室温で反応させてから、ウイルスの残存量を算出しました。その結果、1分間の反応では、

①はウイルスの検出限界以下まで不活化し、②と③はウイルス が99%以上不活化しましたが、検出限界以下までには届かなかったとのことです。

10分間の反応の場合でも、②と ③は1分間の結果と大きく変わりませんでした。

ただし、ウイルス液と②③の混合比率をそれぞれ1対 15に設定すると、1分の反応時間でウイルスを99.9%以上、検出限界以下まで不活化することができたとしています。

要は次亜塩素酸水を大量に使うと効果あり、というわ けです。「新型コロナウイルス不活化活性は酸性度ではなく含有遊離塩素濃度に大きく依存していると考えられます」という結果も掲載していました。

北海道大学の試み

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターは、 (株)エナジックインターナショナルと提携し、次亜塩素酸水を使った新型コロナ不活性化実験に取り組みました。

『沖縄タイムス』(5月14日付)によると、pH2.7以下で有効塩素濃度40ppmの次亜塩素酸水と蒸留水の2種類の水に、ウイルス液をそれぞれ1対9の割合で混ぜ、30 秒、1分、5分、10分の反応時間ごとに、それぞれのウイルス数を測定しました。 その結果、蒸留水では10分経過後もウイルス数は横

ばいで変化はありませんでしたが、次亜塩素酸水では、1 ml当たり1,000万個以上のウイルスが、30秒で検出限界以下まで減少し、そのまま推移しました。

北大同センターは、さらに第2弾として、pH5.5で塩素 濃度40ppmの次亜塩素酸水と蒸留水に、各々1対15の 割合でウイルス液を混合し、あとは前と同じ条件で測定しました。すると、蒸留水のウイルス数には変化がなく、次亜塩素酸水を使った方は同じ反応時間で検出不可能となり、不活性化したというのです。

経済産業省関連機関の評価

このように民間レベルではいろいろな研究・試験が実施されていますが、担当官庁はどう受け止めているので しょう。たとえば経済産業省の要請を受けて、次亜塩素酸水等の新型コロナウイルスに対する有効性評価をおこなっているNITE(独立行政法人・製品評価技術基盤機構)は、ホームページに載せた「5月29日現在のファクトシート」で、次亜塩素酸水の新型コロナに対する有効性について、次のような評価を下しています。

「現在、効果の検証作業を、関係機関の協力を得て進めているところです。塩素濃度や酸性度(pH)等の条件によって効果が変化しうるため、評価にあたっては、様々な 条件での検証を行う必要があります。(中略)今後、早期に結論を得ることを目標に、検証作業を続けてまいります」

そもそも厚生労働省は医療分野で「強酸性電解水」、食品分野では「次亜塩素酸水」の名称で有効性の認可・指 定をしています。農林水産省も「電解次亜塩素酸水」という名で農業分野の特定防除資材(農薬)として認可・指定をしました。今回、新型コロナ対策に有効な消毒製品は何か、というテーマを担った経産省にはこうした経緯を踏まえ、科学的で正しい結論を導いてほしいものです。